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独メルセデス、欧州EV電池連合に33%出資

【フランクフルト=深尾幸生】独メルセデス・ベンツは24日、欧州ステランティスと仏エネルギー大手トタルエナジーズが合弁で運営する電池セル製造会社、仏オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)に33%を出資すると発表した。メルセデスは電気自動車(EV)の専業メーカーになることを宣言しており、その肝となる電池の調達を確かにする狙いだ。

メルセデスは2022年に持ち分の取得などに数億ユーロ(数百億円)を投資し、3社が対等な株主としてACCを運営する。ACCとして30年までに70億ユーロ以上を投資し、欧州で生産能力を120ギガワット時以上に引き上げる。EV換算で100万~200万台分に相当する規模を、原則メルセデスとステランティスで分け合う。ACCはドイツとフランスで建設を進めている工場に加え、欧州内での拠点の拡充も検討する。

メルセデスは7月、エンジン車の開発を25年ごろにやめEV専業に移行する「EVオンリー」戦略を発表した。そのために世界に8つの巨大電池セル工場を設け200ギガワット時の能力を持つとしていた。今回のACCへの出資はその第一歩となる。

メルセデスはこれまで中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)と中堅車載電池メーカー孚能科技(ファラシス・エナジー)の中国勢から主にEV電池を調達してきた。メルセデスのオラ・ケレニウス社長は24日の電話会見で「欧州に(電池の)チャンピオンを作ることはアジア勢との関係を補完する。欧州がEV時代にも自動車産業の中心でありつづけられることを確かにする」と述べた。米国でもセル工場の建設に向け引き続き電池メーカーと交渉している。

ACCは欧州連合(EU)や独仏両政府の支援や補助金を受けて、20年に設立。メルセデスはACCに技術と生産ノウハウを提供し、次世代セルの開発なども共同で実施する。ケレニウス社長はACCへの出資を決めた理由の1つとして、ACCとは前身の1社である蓄電池大手の仏サフトを通じて09年にリチウムイオン電池の供給を受けて以来の関係だということも示した。

EUの欧州委員会が35年にエンジン車の新車販売の実質的な禁止を打ち出したこともあり、電池への需要は急激に高まるとみられている。急速なEVシフトの過程で電池が足りなくなる可能性もあり、欧州の自動車大手では今年に入って独フォルクスワーゲン(VW)や仏ルノー、ボルボ・カー(スウェーデン)なども電池メーカーと組んで自前で電池を確保する戦略を発表している。

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