/

UPU事務局長に目時氏 日本人の国連機関トップ2年ぶり

(更新)
UPU国際事務局長に目時氏が就く

国連機関の一つである万国郵便連合(UPU)は25日、国際事務局長に日本郵便常務執行役員の目時政彦氏(62)を選出した。15ある国連専門機関トップに日本人不在の状態が続いていたが、約2年ぶりに日本人が就く。国連機関の人事で中国の台頭が続く中、日本が存在感を示すことができるか注目されていた。

任期は2022年1月から4年間。アジア出身者の就任は初となる。

目時氏は1983年旧郵政省入省。在タイ日本大使館勤務などを経て、日本郵便で国際事業部長、UPUの郵便業務理事会議長を歴任した。UPUの最高意思決定機関「大会議」が9日からアフリカ西部コートジボワールの主要都市アビジャンで開かれ、対抗馬だったスイスとベルギーの候補を抑えて当選を決めた。

UPUはスイスのベルンに本部を持ち、約190カ国・地域が加盟する。国際郵便のルール作りを担い、先進国と新興国の郵便サービスの格差解消などを目指す。

国連機関のトップは中立的な立場が求められるが、加盟国の意見集約などを通じて国際的な人脈が広がり、日本の外交的な存在感が高まるといった効果は期待できる。中国は国連食糧農業機関(FAO)など3機関でトップを務めており、国際的なルール作りでの影響力が高まっている。

国際原子力機関(IAEA)事務局長の天野之弥氏が在任中だった19年に死去し、国連機関トップで日本人がゼロになっていた。

国境をまたいだオンラインの買い物をする人が増え、UPUの重要性が高まっている。トランプ前米政権は2018年、中国が新興国扱いを受け不当に便益を得ているなどと不満を表明し、脱退を示唆した。

国際郵便では送り主が使う郵便事業者が、受け取った料金の中から届け先の国の事業者に手数料を支払う。UPUの条約では中国など新興国が支払う手数料は日米など先進国に比べて安く設定されていた。米国が脱退を示唆したのは中国に比べてコスト面での条件が不利だったからだ。米国の反発を受けて19年に手数料規定は改定された。

日本郵便は電子メールなどの普及で手紙やはがきの引受数は右肩下がりが続く。国際的な電子商取引(EC)の普及を追い風に、宅配便の「ゆうパック」や国際郵便物を次の収益の柱に育てようとしている。同社の国際郵便では、引受元と宛先のいずれも相手国は中国が最大だ。

国際郵便の手数料を巡る火種はくすぶっているとされる。先進国と新興国が納得する公正なルールづくりの手腕が試される。

目時氏は「世界中の郵便サービス維持向上のため、精一杯取り組む」とのコメントを公表した。武田良太総務相も目時氏の選出を受けて「日本の国益に大きく資するものであると考える」との談話を出した。

(パリ=白石透冴、広瀬洋平)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン