EU、ウクライナ・モルドバを「加盟候補国」と承認

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)は23日開いた首脳会議で、ウクライナとモルドバに加盟候補国の地位を付与することを承認した。EU加盟に向けて具体的な交渉に入ることになる。ロシアの侵攻を受けて、EUがウクライナ側に立つ姿勢を鮮明にした格好だ。
EUのミシェル大統領は23日夜の記者会見で「歴史的な瞬間だ」と称賛した。フォンデアライエン欧州委員長は「あなた方は我々欧州の家族の一員だ」と歓迎した。フランスのマクロン大統領は「我々はウクライナ、モルドバ、欧州のために新たな一歩を踏み出した」と表明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターに「ウクライナの将来はEUにある」と書き込んだ。モルドバのサンドゥ大統領は「(加盟に向けて)改革を進めていく」とツイートした。
EUの執行機関である欧州委員会が17日、両国を加盟候補国として認めるよう加盟国に勧告していた。承認には全27加盟国の同意が必要だった。
深刻な汚職や経済発展の度合いを懸念して、ウクライナの候補国入りに慎重な加盟国も少なくなかったが、EUとしてウクライナに寄り添う姿勢を示した。ロシアの侵攻が続くウクライナに、将来のEU加盟という希望が保たれた。
ウクライナとほぼ同じタイミングで加盟申請したジョージアについては、欧州委が指摘した問題点が改善された時点で候補国にする方針を示した。
ただウクライナなどとEUとの加盟交渉が始まっても、すんなりと実現するわけではない。法や自由、金融サービス、税制など35分野でEU基準に合わせるなどの改革が必要なためだ。実際の加盟には10年前後かかるとの見方もある。
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