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中国外相、24日から中東歴訪 米人権外交に不満共通

(更新)
王毅氏はサウジ、トルコ、イラン、UAE、バーレーン、オマーンの6カ国を訪れる=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子、北京=羽田野主】中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が24日から中東を歴訪する。米欧と少数民族ウイグル族問題で対立する中、米国が関与を薄める中東諸国との関係を強化する。バイデン米政権の人権外交に対しては強権体制が多い中東諸国側も警戒しており、イスラム教徒のウイグル問題では沈黙している。

王毅氏は30日までにサウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)など6カ国を訪れる。中国外務省の華春瑩報道局長は23日、「中東地域は新型コロナウイルスのまん延が止まらず、中国との連携に期待している」と述べた。

シェール革命で米国は中東へのエネルギー依存を脱却し、シリアやイラクなどへの軍の駐留も削減するなど、外交の基軸をアジアに移している。一方、中国は中東産原油の最大の買い手で、地域での存在感が増している。

ザイード大(UAE)のジョナサン・フルトン准教授は「コロナ対策で、中国の中東における影響力はかつてなく大きくなった」とも指摘する。欧米が自国優先で物資の確保に走る一方、中国はトルコやUAEなどに積極的にワクチンを供給している。

中東諸国は、米欧がそろって対中制裁に踏み切ったウイグル族の人権侵害問題でほぼ沈黙を保つ。サウジやUAEなどの独裁色が濃い君主制国家や、強権体制を敷くトルコにとってもバイデン米政権が掲げる人権外交は煙たい。英国際戦略研究所のカミーユ・ロン氏は「内政に干渉しない中国は好ましいうえ、対米関係の交渉カードとして期待する向きもある」とみる。

イスラム教徒の同胞として、対中批判を繰り広げていたトルコも、昨年末ごろから国内のウイグル族を相次いで拘束するなど締め付けを強める。トルコの亡命ウイグル族は数万人に上り、王毅氏が訪れる25日にはデモが計画されているが、最近は治安当局が中国大使館前のデモ隊を解散させる例が目立つ。

王毅氏はイランへの訪問も予定する。米国が制裁対象とするイラン産原油について、米メディアは調査会社などの話として、中国が最近ひそかに輸入を拡大させていると報じている。

バイデン米政権はトランプ前政権が離脱した核合意への復帰を模索するが、イランとは条件や手順で隔たりがあり、交渉は難航している。中国とイランの接近や原油の禁輸網の緩みは米国に対する圧力となりそうだ。

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