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クレディ・スイスAT1債全損、当局「条項に従い決定」

【パリ=北松円香】スイス金融市場監督機構(FINMA)は23日、スイス金融大手クレディ・スイス・グループの劣後債の一種「AT1債」の価値をゼロとする決定は同債券の条項に従ったものだと発表した。同社のAT1債の目論見書には発行体の「存続に関わるイベント」が起き、政府が特別支援を実施する場合は無価値にするとの規定があると説明した。

同業のUBSによるクレディ・スイスの買収に伴いクレディ・スイス株の価値は一部残り、AT1債の価値はゼロとなる。FINMAは「AT1債について多くの問い合わせがあるため、無価値にした根拠となる情報を提供する」として、スイスでは株式が全損するより前にAT1債が株式に転換されるか全額毀損する設計になっていると指摘した。

FINMAは同時に無価値となるクレディ・スイスのAT1債の一覧も発表した。2013年から22年に発行した13本が該当する。

一般的に企業の破綻時には債券は株式よりも優先されるため、クレディ・スイスのAT1債の全額毀損が発表されると社債市場は大きく混乱した。社債権者の間では、決定を不服として訴訟に向けた動きもある。FINMAの発表には決定の正当性を主張する狙いがあるとみられる。

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クレディ・スイス救済

スイスの金融最大手UBSが同2位のクレディ・スイス・グループを買収すると、スイス政府などが3月19日に発表しました。買収額が30億スイスフラン(約4260億円)相当となる株式交換で実施します。米シリコンバレー銀行破綻から始まった市場の動揺は、2000年代後半の金融危機以来となる世界的な金融機関再編に発展しました。関連する記事をお読みいただけます。

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