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ロシア産ガス、購入に新たな難題 ルーブル払い要求

欧日事業者、対ロ制裁と板挟み

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【ロンドン=篠崎健太】ロシア産天然ガスの購入に新たな難題が浮上した。ロシアのプーチン大統領が23日、欧州や日本などの企業を対象に通貨ルーブルでの支払いを求めると表明したからだ。企業や銀行はルーブルの調達を迫られるが、ロシアの銀行との取引は経済制裁に違反する恐れがあり、板挟みになりそうだ。

米国、欧州連合(EU)加盟国、日本、カナダなどロシアが「非友好国」に指定した国の企業が対象になる。プーチン氏は政府閣議で「支払い手段をルーブルに変えるため、短期間に一連の方策を実現する決定を下した。まずは天然ガスから始めよう」と述べた。非友好国に指定した国が天然ガスを購入する際の決済通貨としてルーブルしか認めなくする。

外国のエネルギー企業がロシアから天然ガスを買う際、支払いに使う通貨はドルやユーロが一般的だ。ルーブルの利用が義務付けられれば調達者は外貨を売ってルーブルを確保しなければならなくなる。プーチン氏にはロシアによるウクライナ侵攻後に下落したルーブル相場を下支えし、経済制裁に対抗する思惑がありそうだ。

プーチン氏はドルやユーロを名指しして「信頼をなくしたすべての外貨での決済」を拒否する考えを強調した。天然ガスを購入する企業などがロシアの金融市場でルーブルを調達する手順を1週間以内に定めるよう、中央銀行と政府に指示した。売買契約の一部変更を国営天然ガス会社ガスプロムに指示することも命じた。ルーブル決済の義務化は今後、石油や他の主要な輸出品にも広がる可能性がある。

とくに影響が大きいのはロシア産ガスの調達をつづける欧州各国と日本とみられる。制度設計の詳細が判明しておらず、新規契約だけが対象なのか、締結ずみの契約も対象に含まれるのかなど不明な点が多い。

ガス調達にかかわるエネルギー企業、商社、銀行などは対応を決めかねているとみられる。オーストリアのエネルギー企業OMVのスターン最高経営責任者(CEO)は現地メディアの取材に、ユーロでの決済を当面続ける方針を示した。制度の詳細が決まるまで、各国の企業は今回の措置と米欧の制裁を両にらみしての対応を迫られそうだ。

もっとも、今回の措置はロシア産ガスを調達する新たなリスクを浮き彫りにした。欧州はロシア産ガスに需要の4割を依存するが、中長期で進める「脱ロシア産ガス」の動きが加速する可能性もある。

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