ロシア主導の軍事同盟が首脳会議 一部参加国から不満も
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ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」は23日、アルメニアで首脳会議を開催した。ロシアのプーチン大統領はテロとの戦いなど各国の連携強化を訴えた。参加したアルメニア首脳がCSTOの対応に不満の声を上げるなど、求心力低下をうかがわせる場面もあった。
プーチン大統領は首脳会議で「部隊の訓練レベルの向上など継続的に活動に取り組んでいる」と述べ、2022年1月にカザフスタンの反政府デモ鎮圧に派遣されたCSTO部隊の成果を強調した。
一方、タス通信によるとアルメニアのパシニャン首相は「アゼルバイジャンのアルメニアへの侵略行為に対してCSTOは依然として決断を下していない」などと述べ、CSTOによる抑止力が十分でないと不満を示した。
アルメニアとアゼルバイジャンとの国境地帯で9月に紛争が発生。両軍の死者は200人を超え、アルメニアはCSTOに対応を要請していた。両国はアゼルバイジャン領のナゴルノカラバフを巡って長年、対立してきた。
ロシアのウクライナ侵攻が長期化しロシア軍の部隊をウクライナの戦線に集めているため、旧ソ連諸国の紛争解決に十分に取り組めていないとの見方も出ている。
首脳会議にはCSTOに加盟するロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの各国首脳が参加した。アゼルバイジャンは旧ソ連構成国だがCSTOには加盟していない。