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供給網の人権・環境問題で監視義務付け 欧州委が法案

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は23日、サプライチェーン(供給網)での人権や環境問題での違反行為について、EU内の大企業に監視を義務付ける法案を公表した。企業はEU域外の工場でも人権や環境問題を特定し、解決する義務を負う。問題を放置すれば、罰金を科される可能性がある。

主に先進国の企業が部品や材料を調達する途上国の工場で、児童労働や環境破壊の横行が問題視されている。レインデルス欧州委員(司法担当)は記者会見で「供給網で何が起こっているか、我々は見て見ぬふりをすることはできない。経済モデルを転換する必要がある」と語った。消費者がより持続可能な製品を求めていることから同法案をまとめたと説明した。

EU内にはフランスなどすでに人権関連のルールを持つ国がある。「制度の断片化を避ける必要がある」(EU高官)との狙いから、EU27カ国の共通ルールとすることをめざす。

対象となるのは、従業員500人以上で世界の売上高が1億5000万ユーロ(約190億円)以上の大企業。さらに人権や環境問題との関連が高い衣料や農林業、鉱業などの業種では、従業員250人以上で売上高4000万ユーロ以上の企業も対象になる。

対象は約1万2800社のEU企業と、EUで事業を展開する約4000社の外国企業。EU内で一定の事業規模を持つ日本企業も対象になる。

企業は人権や環境関連の条約などに違反していないか供給網を監視する。第三者が苦情を申し立てできる制度もつくり、解決に向けた仕組みを社内に設ける必要がある。年に1回は関連する情報を公表する。

法案は加盟国でつくる理事会と、欧州議会で承認された後に成立する。その後、加盟国が国情に合わせて、それぞれの法律をつくる。

罰則の内容は加盟国が定めることになるが、企業を監督し、是正の命令を出したり、罰金を科したりできる。欧州委は「抑止力があり、効果的な制裁」となるよう求めている。さらに被害を受けた人らが、民事訴訟で責任を追及できるようにもする。

供給網の人権侵害を調べて予防する人権デューデリジェンス(DD)の一環だ。中国の新疆ウイグル自治区などで問題になっている強制労働については、欧州委が別の法案を準備しているという。

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