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ベラルーシ、旅客機を緊急着陸させ反体制派拘束

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【モスクワ=石川陽平】アテネからリトアニアに向かっていた欧州格安航空会社(LCC)最大手ライアンエアーの旅客機が23日、ベラルーシの航空管制当局の指示によりミンスクの空港に緊急着陸した。着陸後、乗客でベラルーシの反体制派メディアの創設者が身柄を拘束された。欧州各国がベラルーシを厳しく非難している。

タス通信はライアンエアーの話として、ベラルーシの航空管制当局が目的地のビリニュスに近づいていた同社の旅客機に対し、機内に爆発物が仕掛けられた可能性があると警告し、ミンスクの空港への着陸を指示したと伝えた。着陸後に危険物は発見されなかった。

一方、着陸直後、反体制派のインターネットメディア、テレグラムチャンネル・ネクスタの共同創設者で元編集長のロマン・プロタセビッチ氏が治安当局に機内で身柄を拘束された。ネクスタは2020年8月に始まった大規模な反政権集会で、政権によるデモ抑圧を批判するなど反体制派の主要なメディアの一つとして知られる。

ネクスタは20年10月に最高裁判所により過激組織に認定され、プロタセビッチ氏ら幹部は暴動を組織して社会的憎悪をあおったとして起訴された。ベラルーシは2月にプロタセビッチ氏ら2人の身柄を引き渡すようポーランドに要求した。テロに関与したとしており、最長で禁錮15年の実刑を受ける可能性があるという。

ライアンエアーの緊急着陸とプロタセビッチ氏の拘束は、ルカシェンコ大統領が指示したとみられている。国営通信のベルタによると、同大統領の命令でミグ29戦闘機が緊急発進し、ライアンエアーの旅客機をミンスクの空港に誘導した。同機には約170人の乗客が搭乗していた。

欧州諸国ではライアンエアーの緊急着陸は反体制派を厳しく取り締まるルカシェンコ大統領が仕組んだとの見方が広がっており、ベラルーシを激しく批判している。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「深刻で危険な出来事であり、国際捜査が必要だ」と指摘した。

リトアニアのナウセーダ大統領やドイツの最大与党、キリスト教民主同盟(CDU)の幹部らはプロタセビッチ氏の即時解放を求めた。ポーランドのモラウィエツキ首相はベラルーシの航空機の飛行禁止を要求しており、欧米とベラルーシの関係が一段と悪化するのは必至だ。

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