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ジョンソン英首相「中国は国内でも石炭火力撤廃を」

【ロンドン=佐竹実】ジョンソン英首相は22日、米ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会で演説し、中国に国内での石炭火力発電を段階的に廃止するよう訴えた。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が海外での石炭火力発電の中止を表明したばかりだが、さらなる二酸化炭素(CO2)の排出削減を求めた。

ジョンソン首相は演説で、「習氏が石炭火力発電向けの国際的なファイナンスをやめると決めたことにとても感謝する」とした上で、「中国がさらに前進し、国内での石炭火力発電からも段階的に撤退することを望む」と述べた。英国も石炭火力発電を大幅に減らせたので、不可能ではないと付け加えた。

14億人の人口を抱える中国は世界最大のCO2排出国だ。習氏は2020年、60年までに「カーボン・ニュートラル(排出量実質ゼロ)」とする目標を掲げたが、米国などは対策が十分ではないと指摘してきた。英国は10~11月の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催国だ。ジョンソン首相は環境保全に向けた意欲的な目標を相次ぎ打ち出しており、中国に対しても追加対策を求めた。

ジョンソン首相は演説で、「日々、私たちは取り返しの付かないダメージを与え、美しい地球を事実上住めないものにしている」と指摘。「気温上昇を抑えなければならない。COP26首脳会議は、人類にとってのターニングポイントになる」と述べた。

英国はCOP26開催をにらみ、環境対策を相次ぎ打ち出してきた。20年11月には、30年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止すると発表した。50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目的を達成するため、「グリーン産業革命」と題して電気自動車(EV)化や再生可能エネルギーの促進など10項目に120億ポンド(約1兆8千億円)を投じる計画だ。

ジョンソン首相は20日に国連と開いた会合で、途上国向けに年1000億ドルを支援する約束を守るよう先進国に呼びかけた。経済協力開発機構(OECD)によると、19年の支援は796億ドルにとどまっている。

欧米は環境に対する意識が総じて高いが、人口が多い途上国にも同様の対策を徹底するのは簡単ではない。実際、国連によると温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成には、30年までに45%の温暖化ガスの排出削減が必要だが、30年の排出量は10年比で増える見込みだ。国連のグテレス事務総長は20日の記者会見で、COP26が「失敗するリスクが高い」と指摘し、各国政府に排出削減目標を強化するよう呼びかけた。

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