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スペイン首相、カタルーニャ独立派に恩赦 沈静化狙う

22日、サンチェス首相はカタルーニャ独立派への恩赦を決めた(マドリード)=ロイター

【パリ=白石透冴】スペインのサンチェス首相は22日、北東部カタルーニャ州の独立運動を主導して服役中の元州幹部9人について、恩赦を決めた。融和的な姿勢をみせることで、同州でくすぶる独立運動の沈静化を狙う。ただ恩赦決定に対し、右派野党だけでなく、国民からも反発が起きている。

「カタルーニャとスペインにとって最良の判断だ」。サンチェス氏は同日、恩赦決定についてこう述べた。対象となったのは、反乱罪や公金を不正に使った罪などで禁錮9~13年の判決を受けたジュンケラス元州副首相などだ。部分的な恩赦という位置づけで、公職には就けないという。

新型コロナウイルスの収束が見通せないなか、サンチェス氏は対立よりも国の安定を優先すべきだとみて、独立派に歩み寄ったかっこうだ。連立与党は下院で過半数を握っておらず、国政でカタルーニャ州系政党の協力を得やすくしたいとの思惑も透ける。5月に就任したアラゴネス州首相が独立派のなかでも穏健であることも、今回の恩赦につながったようだ。

アラゴネス氏は22日、「意見の対立を解決するには、交渉が原則となる」などとする声明を読み上げ、対話に応じる姿勢をみせた。一方、独立の是非を問う住民投票を求める姿勢に変わりがないことを強調したほか、9人の有罪判決そのものを無効にすべきだとも主張した。

独立運動に批判的な中道右派国民党などは一斉にサンチェス氏を批判した。スペイン紙パイスによると、同党所属のディアスアユソ・マドリード州首相は「許されない裏切り行為だ」と語った。

決定に先立ち、マドリードでは恩赦に反対する数万人のデモが起きるなど国民からも反発が出ている。欧州メディアが報じた世論調査によると、国民の53%が恩赦に反対すると回答。足元ではサンチェス氏が率いる与党社会労働党が支持率で国民党に首位の座を奪われており、恩赦が支持率にどう影響を与えるか注目される。

カタルーニャ州はカタルーニャ語で学校教育を実施するなど、独自の文化を持つ。1970年代まで実権を握った独裁者フランコに激しい弾圧を受けた記憶から、自治権を守るべきだとの意識が強い。スペイン屈指の裕福な州でもあり、税収が他州の発展に使われているとの不満も根強い。

長年続いていた独立運動は2017年にピークを迎え、同州は一方的に住民投票を実施して独立を宣言した。中央政府は自治権停止という非常手段で独立派を押さえ込み、ジュンケラス氏など当時の州幹部を拘束した。ただその後の州議会選挙でも繰り返し独立派が過半数を取っている。

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