脱炭素やコロナを議論 ダボス、25日からオンラインで

【パリ=白石透冴】世界経済フォーラム(WEF)は25~29日、オンライン形式の会議「ダボス・アジェンダ」を開く。新型コロナウイルスの影響で年次総会を5月に延期しており、今回は議題を詰めるための準備会合と位置づける。各国首脳が脱炭素への取り組みやコロナ対策などを語る予定で、発足したばかりのバイデン米政権に対する発言も注目される。
中国の習近平国家主席が25日、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領が26日に発言する。菅義偉首相は最終日29日に演説する予定だ。予定されている討論の議題には「持続可能な未来のための消費のあり方」「危機に強い公衆衛生のシステム」などが並ぶ。
WEFのクラウス・シュワブ会長は18日の記者会見で、既存の社会システムが信頼を失いかねない状態にある、と語った。コロナ禍で経済格差が広がり、既存の資本主義や政治の欠陥があらわになったからだ。「この危機を乗り越えるには、世界への信頼を取り戻すことが必要だ」と語り、コロナ後の世界を議論することが重要だとした。
ダボス会議は1971年から開催されている。例年スイス東部のダボスで世界の首脳や経営者が集まって議論してきたが、21年1月の会議はコロナ禍で延期を余儀なくされた。当初はスイス国内での開催を計画したが、その後21年5月にシンガポールで開くことが決まった。