ポルシェ上場を検討 親会社の独VW

【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)は22日、子会社で高級スポーツ車大手の独ポルシェ(ポルシェAG)の新規株式公開(IPO)を検討していると発表した。VWの議決権の過半を握る持ち株会社のポルシェ・オートモービル・ホールディング(ポルシェSE)と協議を始めた。最終決定はしていないとしている。
ポルシェAGが上場すれば、株式時価総額はイタリアのフェラーリ(約5兆円)を上回ることが確実視されている。VWはポルシェAGのIPOで得た資金を電気自動車(EV)や自動運転技術の開発にあてるとみられる。発表を受けVWの株価は前日終値に比べ一時10%上昇した。
ポルシェとVWはいずれも、「ビートル」を開発したフェルディナント・ポルシェ氏を起源に持つ。現在はポルシェ氏の子孫であるポルシェ家とピエヒ家の資産を管理するポルシェSEがVWの議決権の53%を握り、ポルシェAGはVWの傘下にある。
ポルシェの2021年の世界販売台数は30万台だった。台数ではVWのグループ全体の約30分の1に過ぎないが、営業利益に相当するEBIT(利払い・税引き前利益)は全体の約3分の1を稼ぎ出す。