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メルケル氏、米との関係改善に意欲 ガス計画が試金石

21日にベルリンで記者会見したドイツのメルケル首相=ロイター

【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は21日に記者会見し、就任したばかりのバイデン米大統領と「かなり広い合意の余地がある」と語った。トランプ前大統領との間でこじれた米独関係の改善に意欲を示したが、どこまで歩み寄れるかは、米国が反対する独ロのガスパイプライン計画(ノルドストリーム2)が試金石となる。

「署名された大統領令をみれば分かる」。メルケル氏はバイデン氏が温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰や世界保健機関(WHO)脱退方針の撤回などを就任初日に矢継ぎ早に決めたことを指摘し、再び米国と協力関係を構築できるとの考えを示した。

トランプ前大統領がイラン核合意からの離脱や在独米軍の縮小などを次々に打ち出したことで、米独関係は戦後最悪と言われるまでに悪化していた。バイデン氏の登場が大西洋をまたいだ同盟関係を再び強め、2国間の関係を正常化に導くとの期待は強い。

ただ、トランプ氏が批判したドイツの少なすぎる国防費やロシアと進めるガスパイプライン計画などの火種は、大統領の交代で消えるわけではない。メルケル氏は「欧州は軍事だけでなく、外交その他の領域でもっと責任を引き受けなければいけない」と指摘。過度の米国依存からの脱却に向けて、欧州もドイツも「準備はできている」と語った。

特に独ロのガスパイプライン計画は、欧州やドイツのロシアへのエネルギー依存を高めると米国が強く反対してきた。ドイツ側も「米国産ガスを欧州に売り込むのが真の狙い」などと反発し、折り合えていなかった。

メルケル氏は「私の基本的な立場は変わらない」としながらも、バイデン政権と粘り強く交渉していく姿勢を強調した。ガス分野での独ロの経済関係がどのようなものならば受け入れ可能なのか、原油分野での米ロの関係なども俎上に載せて、妥協点を探っていく考えを示した。

メルケル氏は米国のけん制をかわし、欧州連合(EU)・中国で懸案だった投資協定を大筋合意に導いたばかりだ。トランプ氏の退場で米独関係が劇的に改善するとの期待もあるが、メルケル氏は「ジョー・バイデンは米国の利益を代表し、私はドイツの利益を代表する」といくぶん冷ややかに語った。

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