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日本、国連の気候変動報告書に修正要求 英報道

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【ロンドン=中島裕介】国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が8月に一部を公表した報告書に対し、日本を含む一部の国が化石燃料からの急速な脱却に難色を示し、報告書の修正を求めていることがわかった。BBCなど複数の英メディアが報じた。報告書では気温上昇を産業革命前に比べて1.5~2度以内におさめるため、化石燃料の削減が必要と訴えている。

BBCは報告書の原案やそれに対する各国政府の意見表明の文書が漏洩したと報じた。日本のほか石炭火力に依存しているオーストラリア、世界有数の産油国のサウジアラビアなどが修正を要求したとしている。

英紙ガーディアンによると、石油輸出国機構(OPEC)も化石燃料の削減に関する表現を弱めるよう圧力をかけた。英メディアはそろって、10月末に始まる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の取り組みを弱める行動だと批判的に報じている。

該当するIPCCの報告書は6~7年ごとに作成され、COP26など国際交渉の場での重要な基礎資料となる。8月公表の文書では化石燃料への依存が続くと気温上昇のペースが高まり、最悪のケースで2081~2100年に4.4度上昇すると試算していた。

たとえば、サウジアラビア政府は化石燃料の使用を「あらゆる規模で緊急かつ加速的に弱める必要がある」との原案を削除するよう求めた。インドからも政府に近い研究者が「石炭火力が向こう数十年間、エネルギーの主力となる」との見解をIPCCに送ったもようだ。

英メディアの報道では日本の具体的な要求内容は報じられていない。英国をはじめ欧州では石炭火力全廃の機運が高まるが、日本は電力の安定供給の観点で、海外への石炭火力発電の政府支援を止めることしか約束していない。高効率などを強調して国内での石炭火力の使用に対する批判をかわす手法は一段と難しくなっている。

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