UBS、クレディ・スイス投資銀行の分社化見直しへ

【パリ=北松円香】スイスの金融大手UBSは、買収で合意した同業クレディ・スイス・グループの投資銀行部門の分社化計画を見直す。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が21日報じた。分社後に最高経営責任者(CEO)に就任する見通しだったマイケル・クライン氏と計画撤回について今後交渉する。
分社化はUBSによる救済買収前にクレディ・スイスが打ち出していた経営再建策の一環。クライン氏が率いるM.クライン&カンパニーの投資銀行事業を1億7500万ドル(約230億円)でいったん買収し、自社の投資銀行部門と統合したうえで分社化する計画を立てていた。
分社後の社名として歴史のある「CSファーストボストン」を採用することも決めていた。クライン氏は2022年10月までクレディ・スイスの取締役も務めていた。FTによると、UBSの経営幹部は一連の計画がクライン氏に有利すぎると問題視しているという。

スイスの金融最大手UBSが同2位のクレディ・スイス・グループを買収すると、スイス政府などが3月19日に発表しました。買収額が30億スイスフラン(約4260億円)相当となる株式交換で実施します。米シリコンバレー銀行破綻から始まった市場の動揺は、2000年代後半の金融危機以来となる世界的な金融機関再編に発展しました。関連する記事をお読みいただけます。
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