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ロシア・ウクライナ、停戦へ新安保枠組み焦点 29日協議

(更新)

【イスタンブール=木寺もも子】ロシアとウクライナが4回目の停戦協議を29日にトルコで開く方向となった。両国の高官が明らかにした。ウクライナは米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念する代わりに、新たな枠組みで同国の安全を保障するよう求めているが、こうした妥協案で双方が歩み寄れるかが焦点だ。ロシアや親ロ派武装勢力が実効支配する地域の扱いを棚上げできるかも合意の成否を左右する。

過去3回の対話はロシアと緊密なベラルーシ領内で行われたが、今回は両当事国の間で仲介を続けてきたトルコの最大都市、イスタンブールが舞台となる。トルコはNATOの加盟国だが、ロシアとの関係も近い。

トルコ政府によると、交渉は大きく6つの分野で行われている。このうち①ウクライナがNATO加盟を求めず「中立化」する②ロシアの脅威になる武装を解除した上で両国の安全を保障する③「非ナチ化」④ロシア語を自由に使えるようにする――の4分野では合意に近づいているという。

ゼレンスキー大統領は27日に公開されたロシア独立系メディアのインタビューで「安全保障と中立化、非核保有国としての地位について受け入れる用意がある」と述べ、こうした問題について国民投票にかける考えを示唆した。

ゼレンスキー氏は近い将来のNATO加盟は非現実的だと認め、代わりに米欧とトルコに加え、ロシアがウクライナの安全を保障する枠組みを求めた。「(安保の合意が)ただの紙切れであってはいけない」と強調。「条約として署名されなければいけない」と述べた。ロシアとの不可侵条約と、それが破られた場合の米欧の関与を盛り込んだ条約を想定しているとみられる。

ドネツク、ルガンスクの東部2州にある親ロ派実効支配地域や、2014年にロシアが一方的に編入したクリミア半島の扱いを棚上げにできるかも焦点になる。ロシアは東部2地域の親ロ政権の独立や、クリミアのロシアによる併合についてウクライナや国際社会からの承認を求めている。

ゼレンスキー氏は27日夜の国民向けビデオ演説で、こうした領土に絡む問題で譲歩しない考えを強調した。一方、同日公開されたロシアメディアのインタビューでは「ウクライナ領からロシア軍を完全に撤収させるのは不可能と理解している」として、東部地域やクリミア半島を巡る問題を当面、棚上げにする用意があることも示唆した。

ただ、ロシア側も25日、今後の作戦の主要目標が東部の「全面解放」だと発表している。東部の2地域では侵攻直前、実効支配する親ロ派武装勢力に「独立」を宣言させた。これらの地域を巡る問題は停戦する場合、ロシアがどこから兵力を撤収するかにもかかわる。ロシアが交渉に先だって実効支配地域を広げようとしている可能性もある。

ウクライナが非ナチ化やロシア語の使用の自由を保証することでは、要求自体がロシアの言いがかりだとしても、双方による妥協が可能だとトルコ政府はみている。当初はゼレンスキー政権自体を「ネオナチ」とみなして打倒を目指したロシアも態度を軟化させつつある。

ゼレンスキー氏は「『非武装化』や『非ナチ化』などというものだけが議題なら話し合いの席につかない」と強調した。ただ、国内の極右勢力を排除することなどでロシアのメンツを保つことは不可能ではない。

ウクライナは交渉を進展させるため、直接の首脳会談も求めている。外相以下のロシア側交渉団には権限がなく、プーチン大統領との直接交渉を経なければ実効性のある合意には至れないとみているためだ。

プーチン氏が首脳会談に応じる可能性は否定できない。トルコ大統領府の報道官によると、プーチン氏は17日にトルコのエルドアン大統領と電話協議した際、首脳会談に前向きな姿勢を示したという。

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