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イラン、最大3カ月の査察受け入れで合意 IAEA事務局長

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【ウィーン=細川倫太郎】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は21日夜(日本時間22日未明)、イランと核関連施設の必要な査察を最大3カ月間続けることで合意したと発表した。イランは23日から未申告の施設への抜き打ち査察を認める「追加議定書」の暫定履行を停止するものの、最低限の協力姿勢は維持した。

グロッシ氏は20日からイランの首都テヘランを訪問し、イラン原子力庁のサレヒ長官らと会談した。帰国後、IAEA本部があるウィーンの空港で記者団に「イランと集中的に交渉し、良い結果が得られた」と語った。

IAEAはイランが23日に追加議定書の履行を停止した後も、核関連施設の必要な検証や確認作業は続けられるようになる。グロッシ氏は「これは一時的な解決策だ」と強調した上で、「IAEAの希望は状況を安定させることだ」とも述べた。3カ月間の間に関係国の協議が進展することに期待を示した。

IAEAは査察の規模は縮小を余儀なくされそうで、これまでよりイランの核開発の実態の把握は難しくなりそうだ。イランはひとまずIAEAが必要な作業を続けられるように譲歩することで、国際社会からの孤立を防ぎ、米国などとの交渉を有利に進める思惑があるとみられる。

欧米など主要6カ国とイランは2015年、イランの核開発を制限する代わりに制裁を緩和する核合意を結んだ。イランは核合意の下で追加議定書を暫定的に履行し、これまで自発的に査察の受け入れに協力してきた。

イランを敵対視する米国のトランプ前政権は18年に一方的に核合意から離脱し、イラン産原油の輸出禁止など強力な制裁を発動した。これに反発したイランは、核合意の義務の逸脱を拡大した。20年12月にはイラン国会で、米国などの姿勢が変わらなければ、追加議定書に基づく査察に協力しないよう政府に義務付ける法律が成立した。

核合意の復帰の手順では、米国とイランの意見の隔たりが大きい。バイデン米政権は、まずイランが核合意を順守することが条件と訴えるのに対し、イランは米国が先に制裁を解除すべきだとの主張を繰り返しており、双方の溝が埋まっていない。

米国の離脱やイランの逸脱行為、欧州の対応の手詰まりから、核合意は崩壊の瀬戸際にある。欧州は事態打開に向け、米国とともにイラン核合意の当事国の非公式の協議の開催を提案している。イランのアラグチ外務次官は20日の国営テレビで、協議への参加を検討していることを明らかにした。

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