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ベラルーシ、体制維持へ後ろ盾強調 ロシアと首脳会談

(更新)
会談に臨むプーチン氏㊧とルカシェンコ氏(22日、ソチ)=ロシア大統領府提供・ロイター

【モスクワ=小川知世】ベラルーシのルカシェンコ大統領が強権的な体制を維持する構えを強めている。22日にロシアでプーチン大統領と会談し、後ろ盾である同国の支持を強調した。プーチン政権が国内の反体制派の封じ込めに動くなか、欧米に対抗して共闘を演出し、抗議への圧力を一段と高めるとみられる。

両首脳の会談はルカシェンコ氏の退陣を求める抗議が拡大していた2020年9月以来となる。ロシア南部ソチで開き、両国関係の発展などを協議した。ルカシェンコ氏は憲法改正を柱とする国内の混乱収拾策を説明したもようだ。辞任要求を受けて、改憲後の権限の移譲を提案していた。隣国ベラルーシでの抗議による政権交代を警戒したプーチン政権の意向が働いたとみられている。

ルカシェンコ氏の辞任は見通せない。同氏は11、12日の政治集会で、改憲の賛否を問う国民投票を22年1月に行う考えを示す一方で、辞任の条件に①抗議運動がない②支持者の安全の保障――を挙げた。支持者で構成する「国民会議」の権限を強める方針も示し、仮に辞任に応じても院政を敷くとの見方が出ている。

背景には市民による抗議の縮小がある。政権はロシアを後ろ盾に反体制派への圧力を強め、3カ月超続いた大規模な抗議は小さく局地的になった。抗議を中継して拘束された記者に対して18日に禁錮2年の判決が言い渡されるなど参加者らが罪に問われる事例も相次いでいる。

反体制派のチハノフスカヤ氏らは9日発表の戦略で、3月に抗議デモが再び広がり、5月末までに政権との交渉を始める計画を掲げた。だが有効な道筋は示せないままだ。

抗議デモを中継中に拘束され、有罪判決を言い渡された独立系放送局の記者(写真は9日、ミンスク)=AP

ロシアで反体制派指導者ナワリヌイ氏の拘束を機に大規模な抗議が1月に起きたことも、ルカシェンコ氏やロシアの強硬姿勢に拍車をかけそうだ。同氏は欧米がロシアを揺さぶるためにベラルーシの抗議を支援したと主張してきた。ロシアもベラルーシやナワリヌイ氏を巡る欧米の非難は「内政干渉」と反発する。

会談にはロシア、ベラルーシ両国で連携して欧米に対抗姿勢を示す狙いもある。両国は19日にベラルーシが石油製品の輸出に使う港をリトアニアからロシアに切り替えることで合意した。欧州連合(EU)による対ベラルーシ制裁の報復措置として、ルカシェンコ氏が変更を警告し、リトアニア経済への影響が懸念されていた。

一方でロシアとベラルーシの間では水面下での攻防も残る。ロシアはベラルーシへの影響力拡大を狙い、経済統合の深化をかねて迫ってきた。会談での議論に先立ち、ルカシェンコ氏は11日に「主権が完全に維持されるのが前提だ」と述べ、対等な立場で進めるべきだと予防線を張った。

ロシアはルカシェンコ氏が同国とのつながりを警戒したロシア系銀行の元頭取ババリコ氏についても意見を交わす考えを示した。同氏は資金洗浄などの疑いで拘束され、大統領選への出馬を認められなかった。17日に始まった同氏の裁判は最初から最高裁で審理され、弁護側は控訴の権利が奪われたと訴えている。

ベラルーシの抗議は20年8月の大統領選でルカシェンコ氏の6選が発表されてから始まった。権力に固執する同氏と、影響力を維持したいプーチン政権の思惑が絡み、膠着状態の打開はいっそう見通せなくなりそうだ。

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