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マクロン与党、地方選敗北 再選に痛手

20日、支持者に挨拶するマクロン仏大統領=ロイター

【パリ=白石透冴】20日投開票の仏統一地方選で、旧二大政党の中道右派・共和党が躍進した。マクロン与党や極右政党は苦戦した。2022年春の次期大統領選を控え、マクロン大統領は再選に向けた戦略の再考を迫られる。

「言葉を濁すつもりはない。我々は落胆している」。与党・共和国前進のゲリニ党首は20日、選挙結果を受けて仏メディアで答えた。得票率は共和党が29%、極右国民連合が18.5%、与党は10%前後になったもようだ。

共和党は予想外の善戦となった。海外領土とコルシカ島を除くと、フランスには広域自治体「地域圏」が12あるが、共和党系の候補がパリ首都圏「イルドフランス」、リヨンを含む東部「オーベルニュローヌアルプ」など6つで首位となった。

共和党は戦後、旧二大政党の一翼を担ってきたが、2012年大統領選でサルコジ大統領(当時)が敗れて以来、政権から遠ざかっていた。今回の躍進は政権の批判票を取り込んだことが大きい。「刑法犯の処罰を見直すべきだ」とイルドフランスの選挙戦を率いた共和党系のペクレス氏は主張し、マクロン氏の治安対策は不十分と考える有権者の支持を集めた。

今回の投票率は3割強と過去最低だった。地方基盤を維持し、組織票に強みを持つ共和党には有利だった。旧二大政党のもう一角、中道左派・社会党も5つの地域圏で首位となった。

20日の結果は、22年大統領選で再選を狙うマクロン氏にとって痛手となる。16年結党のマクロン与党にとって同地方選は初めて。候補者の擁立に手間取り、ベラン保健相ら複数の閣僚が選挙運動に消極的だったのも逆風となった。

地方選の結果は国政に直接影響しないが、マクロン氏は大統領選の前哨戦である地方選に勝利し、地方の与党議員を増やすことで票の掘り起こしにつなげたい考えだった。こうした再選戦略は白紙に戻る。

フランスでは新型コロナウイルスのワクチンが普及し、新規感染者は20年秋のピーク時から10分の1以下に減少した。マクロン氏は飲食店の営業や外国人観光客の受け入れを再開したことなどを実績として訴えたが、支持率は3~4割台と横ばいが続く。反政権の「黄色いベスト」デモなど、富裕層寄りとのマクロン氏個人への評価も響いている。

一方、極右・国民連合も伸び悩んだ。複数の地域圏で勝つとの予想もあったが、実際は南東部「PACA(パカ)」のみとなった。22年大統領選でルペン党首がマクロン氏の支持率を一時上回る世論調査が報じられたことで、中道層が極右政権誕生を警戒した可能性がある。

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