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仏大統領選、テレビ討論会はマクロン氏優勢 決選へ勢い

(更新)

【パリ=白石透冴】24日のフランス大統領選決選投票に進出した現職の中道マクロン氏と極右・国民連合のルペン氏が20日、テレビ討論で対決した。対ロシア外交、物価高対策といった様々な争点で、2時間半を超えて激しくやり合った。直後に仏テレビBFMが実施した視聴者の調査では6割が「説得力」でマクロン氏に軍配をあげた。

投票前のテレビ討論は1回だけで、足元の支持率でルペン氏を上回るマクロン氏には追い風になりそうだ。

欧州が直面するロシアのウクライナ侵攻を両氏はいずれも批判した。だが、ルペン氏の陣営が過去にロシアのプーチン政権に近いとされる銀行から資金を借り入れた事実をマクロン氏が指摘。ルペン氏を「ロシアの権力、プーチン大統領に頼っている」と非難した。

これに対してルペン氏は「フランスの銀行がどこも融資してくれなかったから」ロシアの銀行に頼った、と弁明した。だが、ロシア産の石油や天然ガスの輸入を禁止する制裁には「フランス人が打撃を受ける」と述べて反対した。ロシアからの輸入禁止対象の拡大をEUに促しているマクロン氏とは異なる立場を印象づけた。

マクロン氏は、再選されれば「欧州をさらに強くする」と語り、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の枠組みのなかで国際協調を重視する姿勢を改めて強調した。ルペン氏はEU離脱を否定したが、域外との自由貿易協定(FTA)には反対する姿勢をみせた。

国内で大きな問題になっている物価高への対策では、ルペン氏が100品目の生活必需品に対する付加価値税(VAT)を0(ゼロ)%にすると提案。この措置などで「1世帯あたりの収入を月150~200ユーロ(約2万1千~約2万8千円)増やせる」と訴えた。

マクロン氏は電気・ガス料金の引き上げを凍結すると明言。ルペン氏には「VATを0%にすれば、あなたや私のような人も恩恵を受ける」と述べ、低所得とはいえない層も利益を得る方策は「非効率だ」と反撃した。

フランス各地のスーパーでは4月中旬ごろから、値上がりや品不足を懸念する消費者が「ひまわり油」を買い急ぐ動きがみられる。食料を中心に様々な品目へ価格上昇が広がっているためだ。

フランスではイスラム過激派が関与するテロが絶えない。ルペン氏はイスラム教徒の女性について、髪を隠すスカーフの公の場での着用禁止を公約の一つにする。しかし、マクロン氏は「内戦になる」と語り、着用規制の強化に反対した。

途中、マクロン氏が何度もルペン氏の話を遮り、いらだったような様子をみせた。ルペン氏は冷静さを保つように努め、支持層を狭める「極右イメージ」を弱めようとしていた。

BFMの調査では、「説得力のある候補」として59%がマクロン氏、39%はルペン氏を選んだ。だが、「国民の懸念を理解している候補」では37%がルペン氏を支持し、34%のマクロン氏をわずかに上回った。

仏調査会社Ifopが20日発表した世論調査で、決選投票の予想得票率はマクロン氏が55.5%、ルペン氏が44.5%。第1回投票の翌日の11日調査と比べ、両候補の差がやや開いている。

決選投票は、支持候補が進出できなかった左派の有権者の争奪戦の色彩が濃い。原子力や風力による発電の推進で気候変動対策を訴えるマクロン氏の戦略が奏功している可能性がある。

2017年の前回大統領選も決選投票は今回と同じ組み合わせだった。投票前のテレビ討論では、フランスのユーロ圏離脱を巡るルペン氏の発言にまとまりがなく、マクロン氏が勝利する一因になったといわれる。

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