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英移行期間終了まであと10日 EUとの交渉膠着

欧州議会で英国との交渉状況を説明するEUのバルニエ首席交渉官(18日、ブリュッセル)=ロイター

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)を1月末に離脱した英国がEU加盟国とほぼ同等に扱われる「移行期間」の終了まで21日であと10日となった。英EUの自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉はなお続いており、まとまっていない。カギを握る欧州議会の対応次第で、年内に発効できない事態が現実味を帯びる。

交渉は21日も続く見通しだが、お互いに譲歩を求めあう膠着状態に入っている。FTAなどがないまま2021年1月になると、これまで英・EU間ではゼロだった関税が突如復活するなど経済活動に影響が出る。大混乱を回避するには、今後の通商関係などをめぐる合意を法的文書にして英・EUが批准し、発効させる必要がある。12月末ギリギリまで交渉ができるわけではない。

EUの批准のカギを握るのが欧州議会だ。議会の各会派は17日の声明で、20日までに合意するように求めていた。十分な審議時間を確保するためだ。だが期限としていた20日も大きな進展はなかった。

欧州議会で対英関係を議論する会合の議長役を務めるマカリスター欧州議員は、同日中の合意がなかったのを受けて「欧州議会は年内に同意する立場にない」とツイッターに書き込んだ。21日に緊急会合を招集し、今後の対応を協議した。

交渉を担う欧州委員会などは欧州議会に柔軟な対応を求めてきたが、要請を無視された欧州議会がどう対応するかが今後の焦点だ。欧州議会が年内に同意しない立場を貫けば、新たな英EUの通商協定を1月1日に発効させるのは不可能になる。

交渉で難航しているのは英海域でのEU漁船の漁業権の扱いと、英国が産業政策をEUルールに近づける「公正な競争環境の確保」の2点だ。とりわけ漁業権の対立は根深い。EU側は英海域で漁業を続けたいのに対し、英側は海域での主権の回復を訴える。英海域で認められるEU漁船による漁獲量などを巡って対立しているようだ。

残り時間が少なくなる中、英国で広がる新型コロナウイルスの変異種が交渉に影を落とす可能性が出てきた。ジョンソン首相は変異種対応に時間を割かざるを得ないからだ。国内から「移行期間の延長を求めるべきだ」(英スコットランド自治政府のスタージョン首相)との声が強まる可能性がある。

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