英のコロナ変異種、世界60カ国・地域に拡大 WHO
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【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は19日、英国で広がる新型コロナウイルスの変異種が17日時点で世界60カ国・地域で確認されたと発表した。感染力が従来のウイルスより最大70%高いとされ、広がりをみせている。
12日時点と比べて10カ国・地域増えた。南アフリカで拡大が確認され、同じく感染力が高いとみられる別の変異種は23カ国・地域で見つかっている。双方の変異種共にウイルスの外側にある突起状のたんぱく質「スパイク」の形が従来型と異なり、人間に感染しやすくなっている可能性がある。さらに別の変異種もブラジルで見つかっており、WHOは「調査が必要だ」と、今後の拡大を警戒している。
英国を含む欧州では依然感染拡大が深刻だ。変異種の広がりや、クリスマスや年末年始の休暇による人の移動が原因となったとみられる。拡大が目立つスペインでは1日当たり3万人を超える感染者が見つかる日があり、現地メディアは感染「第3波」と呼んでいる。同国政府は午後10時からとなっている夜間外出禁止令の開始時間を前倒しする検討を始めている。
WHOのテドロス事務局長は20日、第46代米大統領に就任したバイデン氏に対し「就任おめでとう。より健康で、安全で、持続可能な世界を目指そう」とツイッターに投稿して、歓迎する姿勢を示した。トランプ前米政権は、WHOの新型コロナ対応が「中国寄り」だとして批判して今年7月の脱退を表明したが、バイデン氏は残留を明言している。