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トルコ追加利下げ2%、通貨最安値 経済界が異例の批判

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ中央銀行は21日、金融政策決定会合を開き主要政策金利を年18%から16%に引き下げた。強権的な政治姿勢で知られるトルコのエルドアン大統領は景気刺激のために中央銀行に圧力をかけて低金利政策を進めている。通貨リラ安や高インフレに経済界からは是正を求める声が上がっている。

利下げは2会合連続となる。利下げ決定で通貨リラは対ドルで一時、前日比3%近く下落して最安値を更新した。リラは連日のように最安値を更新しており、本来なら利上げが求められる局面だった。

「中銀などの機構の独立性と市場ルール強化を」。19日、有力経済団体のトルコ産業・企業家協会(TUSIAD)の会合では大手企業経営者らから金融政策への注文が相次いだ。最大財閥コチも会社ホームページに「為替相場を落ち着かせ、コストとインフレ率を下げるしか道はない」とのトップのメッセージを掲載した。

エルドアン氏の強権体制が続くトルコでは、財界の要人がエルドアン氏への批判ともとれる発言を公にするのは珍しい。背景にあるのは、対ドルで年初から2割も下落したリラ安への危機感だ。リラ安にともなうエネルギーなど輸入物価の高騰で消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比20%近い。

米連邦準備理事会(FRB)をはじめ、各国の中銀がインフレ対策として金融引き締めにかじを切り始める一方、トルコは9月も市場予想に反して19%の主要政策金利を18%に引き下げた。インフレの影響を考慮した実質金利はマイナスに沈んでいる。

緩和を続けるのは「金利は悪」という信念を持つエルドアン氏の介入のためだ。過去2年半弱の間に中銀総裁を3度交代させ、10月には中銀副総裁2人を含む金融政策決定会合メンバー3人を更迭した。エルドアン氏の意向を受けた緩和が進むとの見方が市場で広がりリラ安に拍車をかけている。

エルドアン氏は国を率いた過去20年近く、低金利で建設セクターを中心に景気を刺激して高い経済成長を実現した。21年も9%の成長を見込む。ただ、通貨価値を犠牲にした成長ではインフレに苦しむ国民の共感は得られず、与党支持率は落ち込むばかりだ。

イスタンブール経済研究所の10月調査では過去最低の23%で、主要野党の合計を下回る。前中銀チーフエコノミストのハカン・カラ氏は「中銀に利下げを強いて(有権者の)票を集めるという戦略はもう限界だ」と指摘している。

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