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ウクライナ大統領「武器支援を」 イスラエル国会で演説

【カイロ=久門武史】ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、イスラエル国会でオンライン演説し「なぜあなた方から武器を受け取れないのか」と武器供与を求めた。ロシアのウクライナ侵攻を第2次世界大戦中のドイツによるユダヤ人大量虐殺になぞらえ、ユダヤ人国家のイスラエルに強力な支援を訴えた。

イスラエルはロシア、ウクライナ双方と関係を保ち、停戦交渉の仲介を試みている。米欧主導の対ロ制裁には加わっていない。ウクライナに人道支援物資を届ける一方で、武器の供与は見送っている。

ゼレンスキー氏は、イスラエルのミサイル防衛システムが「非常に強力だ」とし「あなた方はウクライナ人、ウクライナのユダヤ人を守ることができる」と強調した。実戦経験が豊富なイスラエルの迎撃システム「アイアンドーム」が念頭にある。「なぜイスラエルはロシアに強力な制裁を科さないのか」とも問いかけた。

演説ではロシアの侵攻が「市民、街、文化を破壊しようとする全面戦争だ」と訴え、ウクライナ人に対する「最終的解決」を狙っていると主張した。第2次大戦中にユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)を実行したナチス・ドイツが「ユダヤ人問題の最終的解決」という言葉を用いたことに触れ「ロシアはナチスの用語法を使っている」と断じた。

ロシアが侵攻を始めた2月24日について「ナチスができた2月24日から102年後に、ロシアのウクライナ侵攻の命令が下された」と重ね合わせた。首都キエフにあるホロコーストの記念施設がロシア軍のミサイル攻撃を受けたことにも言及した。

イスラエル国会は閉会中で、多くの議員は個別にビデオ会議で視聴した。同国メディアによると演説後、ホロコーストを引き合いに出したことに「とんでもない比較だ」と不快感を示す議員もいた。

ロシアとウクライナにはユダヤ人のコミュニティーがあり、ユダヤ系のゼレンスキー氏はイスラエルに仲介を要請していた経緯がある。イスラエルのベネット首相は5日にモスクワを訪れてロシアのプーチン大統領と3時間にわたり会談したほか、電話でも重ねて協議。ゼレンスキー氏ともたびたび電話で連絡を取り合っている。

イスラエルからの報道によると、ゼレンスキー氏の演説に先立ち、ロシアの駐イスラエル大使は中立を保つようイスラエルの国会議長に警告した。

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