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英、温暖化ガス排出ゼロへ14兆円呼び込み 民間投資促す

EVや原発に資金拡充

【ロンドン=中島裕介】英政府は19日、2050年までの温暖化ガスの排出実質ゼロに向け、30年までに900億ポンド(約14兆円)の民間投資を呼び込むための具体策を発表した。英全土での充電スタンドの増設による電気自動車(EV)の普及や、新規の原子力発電の開発・建設の支援向けに民間投資の呼び水となる財政支援を投じる。

議長を務める第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に、自国の積極姿勢を示して各国に対策強化を迫る狙いもある。

EVの普及では、開発と供給網の支援に3.5億ポンドを投じる。各地域での路上での充電スタンドの増設などにも6.2億ポンドを充てる。こうした対策により、30年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を終了する政府目標の達成を確実にする。

原発については、工場で組み立てる「小型モジュール炉」(SMR)を含めた原発開発や技術の維持のために1.2億ポンドの新基金を創設する。英政府は20年にも小型炉や先進的モジュール炉の開発に3.8億ポンドを充てる計画を表明しており、上乗せの投資になるとみられる。英国ではロールス・ロイス社などが小型炉の開発と実用化を急いでいる。

これに加えて最長で24年までの現在の議会の下院会期中に、1基以上の新規の大規模原発の建設を決定する方針も示した。

英政府の統計によると、足元の20年時点で原子力が全発電量の16%、風力など再エネが43%を賄っている。ジョンソン首相は19日の演説で原発や再生可能エネルギーの活用で2035年までに電力の脱炭素化を果たす方針を表明した。そのうえで「原発はベースロード電源になる」との見方を示した。政府は50年時点で原発が総発電の2割前後、再生エネが7割前後を占めると試算している。

英国は50年までの排出実質ゼロに向けた中間目標として30年までの1990年比68%削減を掲げる。政府は20年11月に30年までの「40ギガワットの洋上風力発電」や「5ギガワットの低炭素水素の生産」など10項目の計画を掲げた。今回の計画はその深掘りや追加対策を並べた。

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