英最高裁、ウーバーの運転手は従業員と認定 仏に続く
(更新)
【ロンドン=佐竹実】英国の最高裁判所は19日、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズの運転手は従業員だとする判断を示した。ウーバー側は個人事業主だと主張していたが、退けられた。運転手は最低賃金や有給休暇が認められることになり、ウーバーの負担が増す可能性がある。フランスの最高裁も2020年に同様の判決を下している。
労働条件の改善を求める運転手が16年に訴訟を起こし、ウーバーと法廷闘争を続けてきた。英地元紙によると、19日の最高裁では7人の判事が全会一致で運転手側の主張を認めた。最高裁は「運転手は専門的なスキルで経済的地位を向上させることが難しく、ウーバーに従属し、依存している」と指摘した。
ウーバーはロンドンで4万5000人、英国全体では6万人の運転手を抱えている。ウーバーは判決を受け、「少数の運転手に焦点を当てた判決を尊重する。(この数年)我々は病気やけがの際の保険など働きやすい環境を整えており、今後も努力する」とコメントした。
スマートフォンのアプリを通じて料理宅配など単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の権利を守る動きは世界各地である。
米カリフォルニア州は20年1月に施行した州法で、企業にギグワーカーらを原則従業員として扱うよう求めた。ウーバーは多くの運転手は個人事業主として働くことを望んでいると指摘。11月には住民投票により、一転して個人事業主として認められることになった。