トルコ中銀が1.5%利下げ 3会合連続、大統領選にらむ

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ中央銀行は20日の金融政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポ金利を1.5%下げ、年10.5%にすると決めた。利下げは3会合連続。足元のインフレ率は80%を超すが、2023年に選挙を控えるエルドアン大統領は景気浮揚を優先している。
市場は1%程度の利下げを予想していた。エルドアン氏は「年内に金利を1桁にする」と述べており、年内にあと2回ある決定会合でも利下げが予想される。金融政策の発表後、トルコの通貨リラは対ドルで前日比0.1%下落した。
トルコの物価上昇は2021年末ごろから加速した。今後は前年同月比でみれば物価上昇率が縮小していくことも、エルドアン氏が中央銀行に利下げを求める根拠になっているとみられる。23年6月までに実施する大統領選と議会選までは金融緩和と財政拡大が続くとの見方が多い。
17日に議会に提出した23年政府予算案では、歳出額が22年当初予算の2.6倍に膨らんだ。物価高の影響を和らげるための補助金支出などが拡大した。歳出拡大で財政赤字の対国内総生産(GDP)の比率は21年の2.8%から23年は3.5%に高まる。