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12月の英消費者物価5.4%上昇、30年ぶり高水準に

【ロンドン=篠崎健太】英統計局が19日発表した2021年12月の英国の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で5.4%上昇した。伸び率は前月より0.3ポイント高まり、1992年3月以来約30年ぶりの水準に加速した。天然ガスなどエネルギー価格の高騰に加え、人手や部材などの供給不足もあって幅広い分野で値上がりが進む。金融市場では英イングランド銀行(中央銀行)が2月に追加利上げを迫られるとの予想が強まった。

上昇率は調査会社リフィニティブがまとめた市場予想5.2%を上回った。2000年以降のピークだった08年9月と11年9月(いずれも5.2%)を超えた。

項目別にみると「食品・非アルコール飲料」と「衣服・履物」の上昇率はともに4.2%で、伸び幅はそれぞれ前の月より1.7ポイント、0.7ポイント大きくなった。「家具・住宅用品」は7.3%、「レストラン・ホテル」は6.0%の伸びで、幅広く値上がりに拍車がかかっている。

大きな要因はエネルギー価格の高騰だ。ガソリンなどの燃料の上昇率は3割弱に高止まりし、輸送費用を押し上げている。部品などの供給制約も解消せず、新車の不足で代替需要が向かう中古車は28.6%と値上がりがさらに進んだ。

英国では21年9~11月期の失業率が4.1%とコロナ禍前の水準にほぼ戻し、労働需給の引き締まりも賃金上昇を通じて物価高につながっている。4月にはインフレのさらなる加速が確実視されている。一般家庭向けの電気・ガス料金が大幅に引き上げられる見通しだからだ。

英国ではエネルギーの小売価格に上限規制があり、市場動向を踏まえて年2回改定される。21年10月には標準モデルで139ポンド(12%)高い年1277ポンドに引き上げられた。天然ガス価格の記録的高騰を受け、今年4月はさらなる大幅増額が避けられない。英調査会社コーンウォール・インサイトは年1865ポンドと約5割の上昇を見込む。

イングランド銀は2月3日に金融政策を発表する。インフレ抑制のため21年12月に続く利上げで政策金利を年0.25%から0.5%へ引き上げるとの予想が多い。英運用会社プレミア・マイトン・インベスターズのニール・ビレル氏は「物価は非常に上向きで今後数カ月は続くとみられ、イングランド銀は行動を迫られる」と語った。

イングランド銀はCPI上昇率のピークについて「22年4月に6%程度」との予想を示してきた。ただ原油相場が騰勢を強めるなか、市場では「7%に迫る」(米運用会社ラザード・アセット・マネージメント)などより高まるとの見方も出ている。

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