ロシア軍、南部のドニエプル川東岸から一部撤退か

【ベルリン=南毅郎】ロシア軍がウクライナ南部ヘルソン州のドニエプル川東岸から一部撤退を始めたもようだ。ウクライナ軍が19日までにまとめた戦況分析で明らかになった。ウクライナ軍による州都ヘルソンの奪還後はドニエプル川の西岸から東岸に退却しており、攻防の行方が焦点になっていた。
撤退を始めたとみられるのはノバカホフカとカホフカの2地域。3日にはウクライナ軍の特殊部隊により、ドニエプル川東岸に国旗を掲揚する様子が動画で公開されていた。ロシア軍が地域住民に年内の撤退を伝えたという。激戦の東部などに兵力を集中させる狙いとの見方もある。
一方、ロシアのショイグ国防相はウクライナとの戦闘の前線地域を視察した。ロシア国防省が18日発表した。公開映像では同氏がヘリコプターの機内から視察する様子が映るものの、具体的な場所は明らかになっていない。16日にはプーチン大統領が軍事作戦本部を訪れており、ロシア軍の劣勢が伝わるなか戦略見直しを急いでいる可能性がある。
プーチン氏は18日のビデオ演説で「ロシアだけでなく、世界全体が大きく変化している。変化が良い方向に向かうと信じている」と主張した。タス通信が伝えた。モスクワで開催された子どもと若者の集会に寄せたもので、ウクライナ侵攻を改めて正当化した。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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