金融市場リスク警戒 UBS株一時16%下落、値動き荒く
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【ロンドン=大西康平】スイスの金融大手UBSによるクレディ・スイス・グループの救済買収の発表後も、世界的な金融システムへの不安を市場は意識する。20日、UBSの株価は一時前週末に比べ16%下落し、その後は上昇に転じるなど荒い値動きだった。金の国際価格が一時、1年ぶりの高値をつけるなどリスクを警戒する動きがみられた。
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UBS株が一時売られた背景には、クレディ・スイスの買収が、かえって業績悪化につながるとの懸念が出ているためだ。迅速な救済に際し、クレディ・スイスの資産価値がどこまで精査できたかを疑う見方がある。
英キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム・チーフ欧州エコノミストは「(資産価値の下落で)さらなる損失は否定できず、UBSへの追加支援が必要となる可能性がある」と指摘する。
一方、欧州の金融機関の経営を巡る過度な懸念がひとまず和らぎ、20日午前の米株式市場でダウ工業株30種平均は買いが先行した。