ゼレンスキー氏「迅速な決断を」 戦車供与など求める

【イスタンブール=木寺もも子】ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でビデオ会議システムを通じて演説した。「(ロシアの)専制政治は民主主義のスピードを上回っている」と危機感をあらわにし、西側諸国に戦車や防空システム供与の「迅速な決断」を求めた。
ウクライナへの軍事支援では、米国、ドイツ、オランダが米国製の地対空ミサイル「パトリオット」を、英国は主力戦車の「チャレンジャー2」をそれぞれ供与すると表明した。これまでロシアとの軍事的緊張の高まりを恐れていた各国は支援の水準を引き上げつつある。
ポーランドは独製戦車「レオパルト2」の供与を表明しているが、実現にはドイツの承認が必要だ。ゼレンスキー氏はこうした動きを念頭に、ロシアには西側のような「ためらい」はないとして支援の加速を求めた。
ゼレンスキー氏は英語で演説した。冒頭には同日午前に首都キーウ(キエフ)近郊で起きたヘリコプター墜落で死亡したモナスティルスキー内相ら犠牲者に黙とうをささげた。スイスで開かれているダボス会議の会場にはオレナ夫人が参加した。
ゼレンスキー氏は3年前にダボス会議に参加した際は新型コロナウイルスが主要議題だったことに触れ「世界はコロナと闘い、勝利した」と述べた。そのうえで「世界は再び(ロシアの脅威に)打ち勝つだろう」と強調した。

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻しました。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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