/

ドイツ長期金利、2年8カ月ぶりプラス圏 引き締め観測で

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える

【ロンドン=篠崎健太】19日朝(日本時間同日夕)の欧州債券市場で、ユーロ圏の長期金利指標であるドイツの10年物国債利回りが一時0.02%台に上昇(債券価格は下落)した。2019年5月以来2年8カ月ぶりにプラス圏に浮上した。欧州中央銀行(ECB)による金融引き締めが早まる可能性が意識されるなか、米国債利回りの上昇や原油高に押されて債券売りが一段と進んだ。

足元で上昇基調をたどっているのは、米英の中銀がインフレ懸念で金融正常化に歩み出すなかで、ECBの緩和縮小や引き締めが早まる可能性も意識されているため。21年12月のユーロ圏の消費者物価は前年同月比で5.0%上昇し、遡れる1997年以降で最大の伸び率になった。ドイツの物価上昇率も同月に30年ぶりの大きさを記録した。

エコノミストの間ではECBの利上げ開始は23年との予想が多い。EU当局者からは現時点で早期実施に否定的な情報発信が目立つが、市場では「想定を上回るインフレが続けば22年末か23年早期の開始もあり得る」(ドイツ銀行)との見方が出ている。政策金利の予想を反映するユーロの短期金利先物は、22年末までの利上げを織り込んで取引されている。

欧州ではユーロ圏以外で金利上昇が進んでいる。英国の10年債利回りは1.3%程度と19年春以来の高水準をつけた。政策金利を世界最低のマイナス0.75%としているスイスの10年債も上昇傾向で、0%前後で取引されている。

英国でもエネルギー価格の上昇や労働需給の引き締まりでインフレに拍車がかかっている。19日発表された21年12月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.4%上昇し、1992年3月以来約30年ぶりの高い伸びを記録した。市場では英イングランド銀行(中央銀行)が2月3日に追加利上げに動くとの予想が大勢になっている。

ドイツの10年債利回りが前回マイナスに転じた19年は、トランプ米政権(当時)との貿易戦争が長引く中国で経済が大きく減速し、ユーロ圏でも製造業景況感の陰りが濃くなった時期だった。その後、新型コロナウイルスの感染急拡大で20年3月に過去最低のマイナス0.9%台まで沈んだ。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
投稿チェック項目URLを投稿文中に入力する場合は、URLの末尾にスペースか改行を入れてください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン