エリザベス女王が守った王室の威信 献身貫いた生涯
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【ロンドン=中島裕介】96歳で亡くなった英国の女王エリザベス2世に、19日の国葬に駆けつけた世界中の要人が別れを告げた。英国君主で最長の70年7カ月にわたる在位の間、女王は第2次世界大戦後の世界と英国の歴史をほぼすべて見守った。激動の時代にありながら世界に目を配りつつ、国民に献身を誓い、王室の威信を守り抜いた。
「私は戦争を率いることはできませんし、法を定めたり人を裁いたりもしません。でも、他の...

英国の女王エリザベス2世が2022年9月8日、滞在先の英北部スコットランドのバルモラル城で死去した。96歳だった。在位70年7カ月は歴代の同国君主で最長。第2次世界大戦後の英国史のほぼ全てを見守り、亡くなる直前まで精力的に公務をこなした。
女王は1926年、後の国王ジョージ6世の長女として生まれた。国王が52年2月に急死すると、25歳という若さで女王に即位。在位期間は世界の存命中の君主でも最長だった。6月には在位70周年を祝う祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が行われた。