欧州宇宙機関、ロシアとの火星探査計画を中断

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州各国でつくる欧州宇宙機関(ESA、本部パリ)は17日、ロシアと共同で計画していた火星探査計画を中断すると発表した。同国によるウクライナ侵攻を受け、制裁を科すESA加盟国に足並みをそろえた。
中断するのは「エクソマーズ」と呼ばれる計画。ESAはロシア国営の宇宙開発企業ロスコスモスと共同で、火星に向けて探査機を打ち上げ、土壌を調べるなどして生命の兆候などを探す計画だった。ロシアのロケットと探査機を使う予定だったという。
だがウクライナへの侵攻が続き、関係が悪化するなかでは協力関係を維持するのは難しいと判断した。ESAのアッシュバッハー事務局長は「厳しく、必要な決定をした」とツイッターに書き込んだ。
欧州各国の制裁に対応し、ロシアは欧州の宇宙センターがあるフランス領ギアナから関係者を引き揚げた。ロシアのロケット「ソユーズ」を利用するミッションはすべて中断されたという。ESAは火星探査計画を含めて代替手段を検討するが、大きく遅れる可能性がある。

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