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トルコ3会合連続利下げ 世界に逆行、通貨安止まらず

(更新)

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ中央銀行は18日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を16%から15%に下げると決めた。世界の中銀が引き締めに動くなかでの金融緩和により、通貨リラは下落が止まらない。

利下げは9月から3カ月連続で、合計の下げ幅は4%になった。中銀は声明で12月の次回決定会合まで現在の緩和姿勢が続く可能性も示唆した。18日のリラ相場は一時、対ドルで前日比6%下落した。年初からの下落幅は3割を超える。

リラが過去最安値を更新する中での利下げは、金利を「悪」とみなし、景気を刺激する低金利を好むエルドアン大統領の意向を反映したものだ。同氏は17日も「金利と闘う」と強調した。

エルドアン氏には政治家としての打算もある。同氏の支持基盤の建設業界は借り入れが多く、低金利の恩恵を受けやすい。リラ安は家電や車などの輸出企業にも追い風だ。10月の輸出は単月として過去最高の208億ドル(約2兆3700億円)を記録した。安い物価に引かれ、トルコを訪れる外国人観光客も増えた。政府は21年の実質国内総生産(GDP)成長率が9%程度になるとみる。

一方、通貨安は急激なインフレをもたらし、庶民の生活を直撃している。「もう与党には投票しない。この冬は暖房を付けられず毛布で寒さをしのいでいる」。イスタンブールのタクシー運転手、アラアッティンさん(58)は憤る。トルコは石油や天然ガスを輸入しており、電気やガスの料金は過去1年でいずれも約2割上昇した。

公式統計では消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比2割弱で推移するが、市民の肌感覚では上昇幅はずっと大きい。調査会社メトロポールが10月に食料品の値上がり幅を尋ねたところ、計90%以上が「30~100%超」と回答した。

通年10%に迫る高成長にもかかわらず、イスタンブール経済研究所の10月世論調査では計75%が景気が「とても悪い」「悪い」と答えた。政権支持率は過去最低に沈む。

政府は金融を引き締める代わりに、低所得層への財政支援を検討しているもようだ。財政赤字はGDP比で3~4%にとどまり、財政出動の余地はある。8日には電気料金の一部について当面、徴収を免除すると発表した。もっとも軽減幅は3%程度にとどまり、焼け石に水だ。

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