世界の貧困率、25年ぶりに上昇 NGOが格差拡大指摘 - 日本経済新聞
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世界の貧困率、25年ぶりに上昇 NGOが格差拡大指摘

【ロンドン=中島裕介】2020年に世界の貧困層の比率が25年ぶりに上昇したことが国際非政府組織(NGO)オックスファムの経済格差に関する報告書で明らかになった。21年末までの2年間で上位1%の富裕層が得た資産が、残る99%の獲得資産の約2倍にのぼるとも指摘した。

報告書は貧困の撲滅に取り組むオックスファムが16日、同日から始まった世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に合わせて発表した。富裕層や大企業への課税強化で所得格差を縮小させる必要性を訴えている。

世界銀行などによると、1日あたり2.15ドル(約280円)未満で暮らす極度の貧困層の人口比率は1990年の4割弱から足元では8~9%まで低下した。だが90年から2013年の20年あまりで貧困層の率が4割弱から12%まで縮小したものの、その後は停滞し、20年に上昇に転じたもようだ。

報告書では新型コロナウイルスによる経済への打撃が格差拡大に拍車をかけたとしている。足元ではウクライナ危機に伴う食料やエネルギーの価格高騰がさらに事態を深刻にしている。オックスファムは22年時点で世界の17億人の労働者が賃金の伸びよりも、物価上昇が上回る環境に置かれていると分析した。

一方で上位1%の富裕層は、21年末までの2年間で新たに生まれた世界の資産の42兆ドルのうち63%を獲得したと指摘した。インフレや資源価格の高騰でエネルギーや食料関連の企業の22年の利益は倍以上に増えた。こうした企業が2570億ドルを配当などで株主に支払っており、世界的なインフレが富裕層に有利な経済環境になっていると指摘した。

オックスファムは格差縮小に向けた課税強化の具体策も挙げた。富裕層やインフレで記録的な利益を稼いでいる企業に1回限りの超過利潤税などを課すことを提案した。上位1%の富裕層の所得や株価上昇によるキャピタルゲインに恒久的な増税を講じるべきだとも訴えた。

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