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イラン大統領選、投票始まる 対米強硬派が優勢

核合意再建交渉に影響も

(更新)
投票の受け付けをする有権者ら(18日、テヘラン)

【テヘラン=木寺もも子】穏健派のロウハニ大統領が8月に任期満了を迎えるのに伴うイラン大統領選の投票が18日、始まった。早ければ19日にも結果が判明する。主な改革派や穏健派は事前審査で失格となり、保守派で対米強硬のライシ司法府代表の勝利が有力視されている。核合意の再建に向けた関係国交渉にも影響する。

18日、テヘラン市内のモスクに設けられた投票所で大学職員のモハンマド・ホセインさん(49)はライシ師に投票した。「大統領になれば国を強くし、外国と有利に交渉してくれるだろう」と期待した。

最高指導者のハメネイ師に近いライシ師は検察官出身で、司法関係の要職を歴任した。2017年の前回選挙では穏健派のロウハニ師に敗れたが、今回は大本命だ。

通常は長蛇の列が珍しくないテヘラン各地の投票所はこの日、閑散とした様子が目立った。体制への支持率を示すといわれる投票率は、70%を超えた前回から大幅に落ち込むことが予想されている。

テヘランの宝石商、エフサさん(37)は「初めから結果が決まっている選挙だ」と自らが投票に行かない理由を話す。592人の立候補者に対し、保守派が支配する護憲評議会が認めた候補者は7人で、有力な穏健派や改革派は失格となった。16日には3候補が撤退を表明し、うち保守強硬派の2人はライシ師の支持を表明した。ライシ師が「圧勝」する公算はより大きくなったが、国民の間ではしらけたムードがただよう。

ロウハニ政権は15年、オバマ政権時代の米国や欧州などとの間で核合意をまとめ、国際社会に復帰する道を模索した。だが、トランプ前米政権が核合意から離脱して制裁を復活させると求心力を失った。20年の議会選では投票率が低下した結果、強硬派が大幅に議席を増やした。通貨リアルの対ドル実勢レートは暴落し、インフレが進む。

核合意を巡っては、バイデン米政権の誕生後、米国の復帰を目指す関係国協議が続いている。選挙前の合意を目指した交渉当事者らの思惑は外れた。

最高指導者のハメネイ師同様、ライシ師も制裁解除をもたらす核合意の再建には賛成する立場を示す。だが、英オックスフォード大のイラン外交専門家、サムエル・ラマニ氏は「ライシ師は核開発の縮小より先に制裁解除を求める可能性が高い。米側は同師を警戒しており、交渉はさらに難航する可能性がある」と指摘する。

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