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英フィリップ殿下、最後の別れ 女王73年支える

(更新)
ひつぎは殿下自らが改造に携わった霊きゅう車に乗せられた(17日、ウィンザー城)=ロイター

【ロンドン=佐竹実】9日に99歳で亡くなった英王室のフィリップ殿下の葬儀が17日、ロンドン郊外のウィンザー城で行われた。エリザベス女王(94)の夫として73年にわたり君主を支えた。戦後の王室改革を進めたほか慈善活動にも取り組み、多くの人に惜しまれた。

午後3時(日本時間午後11時)に城内の聖ジョージ礼拝堂で始まった葬儀には、女王をはじめ親族ら30人が参列した。新型コロナウイルス対策の政府の規制に従って小規模な形式にし、参列者はマスクを着用した。

葬儀に向かうエリザベス女王(17日、ウィンザー城)=AP

ひつぎは、英ジャガー・ランドローバー(JLR)のオフロード車「ディフェンダー」に乗せられて城内を移動した。車は深緑色で、軍隊に思い入れの深い殿下が自ら改造に携わった。車の後ろを、チャールズ皇太子(72)ら親族が歩き、エリザベス女王を乗せた車が最後尾で続いた。20年に王室を離れ、現在は米国に住むヘンリー王子も参列した。不仲説のある兄ウィリアム王子と会話を交わす場面もあった。

殿下のひつぎの後ろを歩くチャールズ皇太子ら王室メンバー(17日、ウィンザー城)=ロイター

ギリシャ王子の子として生まれたフィリップ殿下は、英海軍で将来を期待されたエリートだった。第2次大戦に従軍し、日本降伏の際に東京湾で英駆逐艦ウェルプに乗船していた。1947年、当時王位継承第1位だったエリザベス女王と結婚したことで、殿下はギリシャ王子とデンマーク王子の称号を放棄した。

海軍の中佐だったが、52年に女王が君主となり、王室の職務に専念した。だが国の機密文書は見られず、マウントバッテンという名前を王室の姓に入れることも許されなかった。

女王を支えながら、王室内の改革にも尽力した。かつて王室のスタッフはカツラをかぶって勤務していたが、その習慣を廃止した。若者を支援するプログラム「エディンバラ公アワード」を創設したほか、世界自然保護基金(WWF)総裁を務めた。

繁華街のスクリーンにはフィリップ殿下の写真が映し出された(17日、ロンドン)=AP

ジョンソン首相は12日に議会下院で、殿下の軍や慈善活動などへの貢献をたたえた。霊きゅう車を自ら改造したことに触れ「車の独特なシルエットは、彼がとても実務的な人であることを示す。伝統的なものを創意工夫で改良し、20世紀、21世紀に適応させることができる人物だった」と述べた。

ジョークを飛ばすことが多く、時に失言と批判された。2002年に女王とオーストラリアを訪問した際には、先住民に「今もやりを投げ合っているのですか」と質問した。王室に詳しい君塚直隆・関東学院大教授は「快活なので誤解も受けたが、女王を73年にわたり支えた功績は大きく、間違いなく王室の大黒柱だった」と語る。

WWFジャパンによると、殿下はWWFインターナショナルのオフィスを訪れた際、「様々な国の人たちが地球の自然を守るという1つの目的に向かって真剣に、対等な立場で議論をしているということが、私はとても誇らしい」と話したという。

エリザベス女王は1997年の金婚式の際、殿下への思いをこう語っている。「彼は長い間、私の力と支えであり続けた。彼が言う以上に、わたしたちが思う以上に、私や家族、この国は彼から多大な恩恵を受けている」

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