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WHO、ワクチン融通10億回分超に 当初目標の半分

途上国、インフラ未整備で拒否も

【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は16日、新型コロナウイルスワクチンを国際的に分配する枠組み「COVAX(コバックス)」で累計10億回分を分配したと発表した。当初目標の「2021年中に20億回分」から大幅に遅れている。途上国には低温備蓄や輸送のインフラが乏しく、期限切れ間近のワクチンが拒否されやすいという構図が背景にある。

15日にルワンダに110万回分のワクチンを届けたことで、分配数は144カ国向けに計10億回分を超えた。ただWHOの集計によると、13日時点で加盟194カ国のうち、36カ国では接種率が10%未満、88カ国で40%未満となっている。米国や欧州連合(EU)との格差は大きい。

「21年12月だけで、1億回分以上のワクチンが拒まれた」。ロイター通信によると、ワクチン分配でWHOと協力する国連児童基金(ユニセフ)幹部は13日、途上国が期限切れ間近のワクチン受け取りを拒否する例が相次いでいると明かした。複数の国に拒否されてたらい回しになるワクチンもあり、うち1600万回分は廃棄されたとみられるという。

インフラが脆弱で、受け取っても期限までに接種できない途上国が少なくないためだ。コロナワクチンの多くは低温を保ったまま使用期限までに国内各地に分配する必要がある。ところが輸送手段や備蓄場所を確保できない場合が出ている。

ワクチンの受け取りペースを遅くしている国もあるほか、ナイジェリアでは計100万回分の廃棄に追い込まれた。

先進国は途上国へのワクチンの譲渡を相次いで発表してきたが、WHOは公平な分配を実現できる水準ではないとみている。「コバックスの熱意は、富裕国の買い占めなどによって邪魔されている」と批判した。変異型「オミクロン型」の拡大を背景に、先進国ではワクチン需要が改めて高まっている。イスラエルでは4回目接種も始まっており、不平等の是正が進むかは不透明だ。

WHOはオミクロン型のように最大限の警戒態勢が必要な「懸念される変異型(VOC)」は今後も現れるとみる。変異型は遺伝子複製の過程で発生するため、感染者が多ければその分出現の可能性も高まる。途上国の低接種率を放置すれば、その分世界全体でのコロナ収束を遅らせることになりかねない。

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