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世界のETF残高1000兆円超す 5月末、緩和マネーの受け皿に

商品型など裾野広く

(更新)

上場投資信託(ETF)市場の拡大が続いている。英調査会社ETFGIは16日、世界の運用残高が5月末時点で9兆2100億ドル(約1010兆円)となり、初めて9兆ドルを超えたと発表した。株式型ETFへの資金流入が活発で、5月は債券型や商品型のETFも流入超だった。金融緩和で膨らむ投資マネーの受け皿として存在感を高めている。

ETFGIの集計では、世界のETF残高は4月末比で2500億ドル(2.8%)増えた。対象資産の値上がりと資金流入の両面から伸び、5月の資金動向は970億ドルの流入超だった。1~5月累計の純流入額は5594億ドルと前年同期の2.4倍で、同期間として過去最高だった。流入超は24カ月連続だ。

5月の流出入動向を資産別にみると、株式型は630億ドル、国債や社債などで運用する債券型は206億ドルのそれぞれ流入超だった。商品型ETFは38億ドルの流入超(4月は9億ドルの流出超)に転じた。「経済再開とそれに伴う物価上昇を意識して商品型にも物色の裾野が広がった。株式型の高値警戒もあり、債券型に資金を移す動きも一部で出ている」(大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジスト)

モーニングスター・ダイレクトによると、個別のETFで5月に最も資金を集めたのは、米S&P500種株価指数に連動した運用成果をめざす「バンガード・S&P500ETF」だった。同ETFは5カ月連続の流入超となり、5月末時点の純資産残高も約2200億ドルと過去最高水準で推移している。

5月の流入上位には欧州株など米国以外の地域を組み入れるETFや、株式型の中でもバリュー(割安)株を投資対象とするETFが入った。コモデイティ関連では金ETFの代表銘柄である「SPDRゴールド・シェア」が17億ドル近い流入超だった。緩和マネーがETF市場に継続的に流れ込む一方、投資対象の地域や資産などの分散を図る動きもでている。

国内でもETFの存在感は高まっている。投資信託協会によると日本の公募株式投信の残高は5月末時点で約138兆円と過去最高を更新した。うち4割にあたる約60兆円はETFが占める。日本では日銀が金融政策の一環としてETFを購入しており規模が膨張した。一方、国内個人や機関投資家が長期目線の運用でETFを活用する機運は乏しく、投資家層の裾野を広げることが課題となっている。

ETFはExchange Traded Fundの略で、取引所に上場して株式と同じように売買される投資信託をさす。一般に非上場の投信より手数料が割安で、分散投資の手段として市場拡大が続いてきた。ETFGIによると5月末時点で世界のETFは8821本あり、株価指数に連動する仕組みのものが多い。最近はESG(環境・社会・企業統治)の関連指数を対象とする銘柄の上場が増えている。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ日本法人の杉原正記ETFビジネスヘッドは「ETFを活用すればあらゆる資産に投資が可能で、上場商品のため売買の機動性も高い。特に世界の複数資産を運用するグローバルな投資家に支持されている」と指摘する。(ロンドン=篠崎健太、東京=井川遼、近藤パドリック)

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