アルメニアとアゼルバイジャンの戦闘再燃
【モスクワ=石川陽平】旧ソ連南西部のアルメニアとアゼルバイジャンの間で戦闘が再燃している。アルメニア側は16日、同国の兵士15人が死亡し、12人が捕虜にされたと明らかにした。2020年秋に激化した両国間の紛争は同年11月にロシアの仲介で停戦に合意したものの、不安定な状況が続いている。
アルメニア軍とアゼルバイジャン軍の軍事衝突は11月に入り、両国の境界線地域で激しくなった。双方が互いに重火器を用いて攻撃してきたと非難の応酬になっている。被害は特にアルメニア側で大きく、アルメニア政府は16日、同盟関係にあるロシアに支援を求めた。ロシアのショイグ国防相は同日、アルメニア、アゼルバイジャン両国の軍事部門のトップと電話で協議し、事態の鎮静化を呼びかけた。
両国間の紛争はソ連末期、アゼルバイジャン領内でアルメニア系住民が多いナゴルノカラバフ地域を巡って始まった。昨年9月末に激化した戦闘ではアゼルバイジャンが支配地域を大きく広げ、死亡者数は双方合わせて6000人を超えたとみられている。同11月にロシアの仲介で停戦が成立し、ロシア軍が停戦監視のため駐留している。