ウクライナ東部、民間人含む500人の遺体 国連が調査団 - 日本経済新聞
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ウクライナ東部、民間人含む500人の遺体 国連が調査団

(更新)

【ベルリン=南毅郎】ウクライナ軍がロシアからの奪還を進める東部ハリコフ州で、民間人の遺体が相次ぎ見つかっている。複数の場所で民間人含め計500人程度に及ぶ遺体が確認された。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は遺体の身元や死因を調べるために現地へ調査団を派遣する方針を示した。

要衝イジュームで少なくとも440人が埋葬された集団墓地が発見され、ウクライナ兵のほか、幼い娘を含む親子の遺体も見つかった。現地メディアによると一部の遺体は首にロープが巻かれた状態で埋葬され、後ろ手に縛られたり腕が折られたりするなど拷問の痕跡がある遺体もあったという。ハリコフ州の別の地域では新たに50人の民間人の遺体も確認された。

イジュームはロシアが物資補給拠点として重視し、過去数カ月、支配下に収めていたが、ウクライナ軍が反転攻勢に動き、11日に奪還を宣言した。社会インフラの大半が破壊され、少なくとも1千人以上の市民が死亡した可能性がある。

ウクライナ国家警察によると、ハリコフ州ではイジュームを中心に拷問が行われたとされる部屋が10カ所確認された。OHCHRは16日、イジュームへ調査団を派遣する方針を示した。OHCHRの報道官は「人々が殺害されたのか、医療を受けられなかったために亡くなったのかを調べる必要がある」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はSNS(交流サイト)に「ロシアはテロ国家だ。なぜ国際社会がなかなかそう認識しないのか私には分からない」と投稿しロシアを非難した。具体的な死者数は現時点で不明とし、さらに増える可能性がある。

一方、東部ドニプロペトロウシクではロシア軍の砲撃で2人が死亡、1人が負傷した。ハリコフ州はほぼ全域を奪還したが、東部ルガンスク州やドネツク州ではなお激しい攻防が続いている。

ドイツの首都ベルリンでは16日、主要7カ国(G7)下院議長会議が開かれた。共同宣言で「将来の平和会議の選択肢を模索することを強く求める」と明記し、即時停戦とウクライナへの支援継続へ連帯を表明した。

会議には米国のペロシ下院議長やウクライナのステファンチュク最高会議議長が参加。日本からは細田博之衆院議長が出席した。

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