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2021年、石炭火力の発電量過去最高に IEA予測

【ブリュッセル=竹内康雄】国際エネルギー機関(IEA)は17日、石炭火力による発電量が2021年に過去最高になるとの見通しを発表した。新型コロナウイルス禍からの景気回復などを背景に主に中国とインドの石炭需要が急増した。国際社会は気候変動対策に取り組むと約束したが、現状の取り組みが十分でないことが鮮明になった。

IEAが同日公表した石炭に関する年次報告書によると、21年の石炭による発電量は1万350テラワット時で前年比9%増える見通しだ。天然ガス価格の高騰で石炭発電の利用が増えたことも一因となった。

世界のほとんどの主要地域で20年に比べて石炭火力での消費は増えるものの、中国とインドはコロナ禍前の19年の水準を超え、それぞれ過去最高水準になるようだ。日米欧は19年の水準は下回る。

発電だけでなく、鉄鋼やセメントに使う産業用を含めた石炭全体の消費については、コロナ禍の影響で20年は2桁減になるとみられていたが、中国など各地域での景気回復が予想より早かったため、前年比4.4%減にとどまった。21年から増加に転じ、22年には過去最高を記録すると予測した。

鉄鋼などの産業部門では短期的に石炭の代替を見つけるのは難しい。中国は世界の石炭のざっと半分を消費する。

中国やインドは原子力や再生可能エネルギーなど、排出ゼロのエネルギー源を拡大してきた。発電に占める石炭の比率は36%と07年から5ポイント低下する。だが新興国を中心に全体の電力需要全体が増え続けている。

11月に英グラスゴーで開かれた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、各国は産業革命からの気温上昇を1.5度以内に抑え、石炭利用を段階的な削減をめざすことで合意した。多くの主要国は今世紀半ばごろに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を打ち出している。

IEAの報告書では世界の石炭消費が24年より前に排出ゼロの経路と合致することはなさそうだと分析した。排出を減らす取り組みが遅れ、目標達成が一段と難しくなるとにじませた。ビロル事務局長は声明で「世界の努力が、実質ゼロの目標とかけ離れているかを示す憂慮すべき状況だ」と表明した。

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