/

トルコ、インフレ長期化に危機感 家計負担軽減急ぐ

【イスタンブール=木寺もも子】トルコがインフレに伴う家計負担の軽減に乗り出している。食料品の付加価値税を引き下げたほか、小売業者にさらなる値下げを促す。急激な物価上昇から国内ではデモが起きており、政府はインフレの長期化に危機感を募らせる。ただ対策として一般的な利上げには否定的で、効果は見通せない

「少なくとも14%の値下げが行われると期待している」。エルドアン大統領は16日の演説で食料品価格についてこう述べた。政府は対策として14日に主要な食料品の付加価値税を8%から1%に下げた。その後、当局は大手スーパーに立ち入り、値札をみて価格が引き下がったかどうかをチェックしている。

政府はこれとは別に、小売業者にさらに7%の値下げを要求している。トルコメディアが報じたエルドアン氏の発言によると、ネバーティ財務相が大手小売りチェーンのトップに電話をかけるなどして「圧力をかけている」という。

このほか、欲しい商品を最安値で扱う店舗を検索できるスマートフォン用アプリを政府自ら開発し、近く導入する計画。一部世帯では電気代の軽減も検討している。

矢継ぎ早に対策を打ち出す背景には、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比で49%に上る急激なインフレへの懸念がある。電気料金は1月に前月までの約2倍に跳ね上がり、ガソリン価格は21年12月初めと比べて約6割高くなった。

国民は不満を募らせる。最大都市イスタンブールでは13日、女性ら数十人が鍋を片手に抗議デモ行った。複数のネット系宅配サービス大手の配達員らは1月末以降、賃上げを求めて断続的にデモを繰り広げている。いずれも小規模だが、長期化すれば国内の不安定要因になりかねない。

一方で、エルドアン氏は利上げには否定的だ。それどころか、インフレ抑制には利下げが必要だと、定説とは逆の主張を繰り返す。中央銀行は21年9~12月に主要政策金利の1週間物レポ金利を計5%引き下げ、年14%とした。このため通貨リラが急落し、インフレが加速したが、利上げの可能性はなおきっぱりと否定する。

利上げ以外でのインフレ対策に、どこまで効果があるかは不透明な面もある。卸売物価指数(PPI)上昇率は94%にも及んでおり、小売業者からは「好きで値上げしているわけではない」との声が漏れる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン