カザフスタン下院選で与党勝利 トカエフ体制安定へ
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旧ソ連・中央アジアのカザフスタンで19日、下院(定数98)選挙の投票があり、トカエフ大統領の与党「アマナト(祖先の遺言)」が過半を得票し、大勝した。トカエフ政権は2022年1月に燃料価格やナザルバエフ前大統領への不満から抗議運動が広がった事態を受けて政治改革に取り組み、下院選を前倒しして体制の安定を急いだ。
カザフの下院選は、全議席数の7割を比例代表制で、3割を小選挙区制でそれぞれ選ぶ。同国の中央選挙管理委員会が20日に発表した暫定の開票結果によると、得票率はトップの与党「アマナト」が53.9%で、2位の国民民主・愛国主義政党アウィル(10.9%)を大きく引き離した。
比例代表制に参加した7党のうち6党が議席を獲得した。
トカエフ政権は抗議運動後の22年6月、憲法改正案を巡る国民投票に踏み切り、賛成多数で承認を得た。改憲案には、退任後も強い影響力を維持していたナザルバエフ前大統領の権限削減などを盛り込み、国民の不満を解消しようとした。
22年11月には大統領選を前倒しで実施し、トカエフ氏が大差で再選を果たしていた。下院選での与党勝利で、ナザルバエフ氏からトカエフ氏への権力移行が事実上、完了するとみられる。