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ザンビア大統領に野党ヒチレマ氏、債務膨張の現職敗北

債務不履行(デフォルト)に陥ったアフリカ南部ザンビアの選挙管理委員会は16日、12日に投票が行われた大統領選で野党・国家開発統一党のハカインデ・ヒチレマ党首が初当選したと発表した。中国からの借り入れなどで債務を膨らませた現職のルング大統領に不信任を突きつける結果となった。

ヒチレマ氏は16日「ありがとうザンビア」と表明し勝利宣言した。実業家出身で、選挙戦では雇用創出や汚職撲滅を訴えた。経済のテコ入れへ、膨張した債務の再編が課題となる。国際通貨基金(IMF)は5月、ザンビアへの資金支援に向けた枠組みでおおむね合意したが、結論を選挙後に持ち越していた。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスのゼイナブ・モハメド氏は、ヒチレマ氏の当選で「IMFの要求に積極的に応じ、債務再編を進める」と予測している。

ザンビアは2020年11月、ドル建て国債の利払いができず新型コロナウイルス流行下でアフリカ初のデフォルトとなった。かねて債務膨張の危うさが指摘されていた。中銀によると対外債務残高は20年末に127億ドル(約1.4兆円)と、ルング氏が大統領に就任した15年から倍増した。

世界銀行によると最大の債権国は中国で、対中債務残高は19年末時点で34億ドルと15年末から2倍に膨らんだ。対中債務の条件が不透明だとみる欧米の債権者との間で利払い猶予の交渉が頓挫した背景となった。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アフリカ諸国に積極的に融資してきた。直ちに取って代わる貸し手は見当たらず、ヒチレマ氏は対中関係を保ちながら債務を管理する必要に迫られそうだ。かじ取りは同様に借金に苦しむ国々にとっても試金石となる。

選挙では事実上一騎打ちとなったルング氏との接戦が予想されたが、現職3選を阻んだのは、経済の悪化に対する市民の不満だ。通貨は対ドルで下落基調が続き、インフレ率は20%に迫る。失業率は10%超に高止まりし、現状打開を望む若者らの声が強まった。

ザンビアは銅の生産量がアフリカ2位の資源国だが、輸出収入は市況に左右され不安定だ。ルング氏は就任直後に訪中するなどして中国と親密な関係を築き、開発支援を得てきた。「ザンビアと中国の温かい関係の証しだ」。現地報道によるとルング氏は9日、中国の支援で建設した首都ルサカの国際空港ビルの開業式で強調し、同席した中国大使は支援継続を約束していた。

ルング政権は投票に先立ち、暴力行為を防ぐためとして軍部隊を各地に展開し、野党側へのけん制だとの批判が上がった。野党候補の勝利は、ザンビアの民主制が機能していることを示し海外投資家の安心感を強めるとの見方もある。

(久門武史)

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