アーム、最大1000人の削減検討 上場控え採算改善

【ロンドン=佐竹実】英半導体設計大手のアームは15日、最大で1000人程度の人員削減を検討していることを明らかにした。ソフトバンクグループ(SBG)傘下のアームは米半導体大手エヌビディアへの売却が2月に破談になった。SBGは2022年度中にアームを株式上場させる計画で、上場を控えて収益力を高める狙いがあるとみられる。
アームの広報担当者は日本経済新聞に対し、「他の企業と同様、コストと機会のバランスを保つため常にビジネスプランを見直している。残念ながら、世界の従業員の人員削減も含まれる」と述べた。「この提案が実行された場合、12~15%の従業員が影響を受ける」という。アームは世界で6400人の従業員を抱えており、15%だと1000人近くを削減することになる。
SBGは16年にアームを約3兆円で買収して非上場化した。「5年で英国の従業員を2倍にする」というのが、孫正義会長兼社長が交渉の際に入れた条件だった。再上場にあたり、削減に転じることになる。
SBGは20年9月に、エヌビディアへのアーム売却で合意した。売却額は400億ドル(約4兆7千億円)。エヌビディアは自社株式を対価の一部とし、SBGはエヌビディアの大株主となる計画だった。だがこれに同業他社が反発。各地の規制当局の承認が得られる見通しが立たなくなり、今年2月に断念した。
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