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トルコ1%利下げ インフレ加速、最低賃金は5割上げへ

(更新)

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ中央銀行は16日、主要政策金利の1週間物レポ金利を1%下げ、年14%にすると決めた。利下げは4会合連続で、インフレはさらに加速するとみられる。政府は最低賃金を50%引き上げるなどの財政出動で市民の不満を和らげる方針だが、効果を危ぶむ声も上がる。

金利を「悪」とみるエルドアン大統領は金融緩和と輸出促進を通じた経済成長を目指している。通貨リラの対ドル価値は1年で半減し、インフレは悪化しているが、今回も中銀はエルドアン政権への配慮を優先したとみられる。

市民の不満は強まっている。「やむなく値上げします」。今月上旬にチーズの値段を50%引き上げたイスタンブールの乳製品店にはこんな張り紙があった。通貨リラが対ドルで3割下落した11月以降、食料品や日用品は毎週のように値上がりしており、買いだめも起きている。

トルコ統計局が発表する直近の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比21%だが、市民のインフレ実感はより高い。左派系エコノミストらでつくるENAグループの独自調査では、CPI上昇率を58%としている。

イスタンブール経済研究所の12月世論調査によると、与党の支持率は24%で、連携を模索する主要野党の合計を下回る。23年6月に予定される大統領選と議会選の勝利に黄信号がともり始めた。

エルドアン政権は市民の不満に財政出動で対応する構えだ。エルドアン氏は16日、政労使の交渉の結果を踏まえ、22年の最低賃金を50%引き上げると発表した。上昇率は公式のインフレ率を大きく上回る。

最低賃金は公務員や医師の給与、年金支給額などに連動し、大幅な歳出増はまぬがれない。ロイター通信は14日、政府関係者の話として、政府が近く22年の追加予算案を公表すると報じた。トルコで追加予算を組むのは珍しい。低所得層への減税も盛り込まれるという。

信用力が低いこともあり、トルコの公的債務は国内総生産(GDP)比で4割、財政赤字は同3~4%程度にとどまる。財政出動の余地はある。みずほ銀行欧州資金部の本多秀俊・シニア為替ストラテジストは「リラ買いの為替介入と財政ばらまきの組み合わせでとにかく選挙まで乗り切り、その後の対応は改めて考えるのだろう」と話す。

もっとも、財政出動や利下げが想定以上のリラ安やインフレを招けば、選挙前の一時的な支持率浮揚すらおぼつかなくなる。12月に4度の為替介入があったにもかかわらず、リラは対ドル最安値を更新し続けている。

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