ノースボルト、独にEV電池工場 合計生産能力200万台超に

【フランクフルト=深尾幸生】スウェーデンの新興電池メーカー、ノースボルトは15日、ドイツ北部に電気自動車(EV)用の電池工場を建設すると発表した。2025年後半に生産を始める。同社として3拠点目となる電池工場で、電池の合計生産能力は200万台分を上回る。
デンマークに近いハイデに建設することでシュレスウィヒ・ホルシュタイン州などと合意した。約3000人を雇用し、生産能力は年間60ギガワット時。約100万台のEVに供給できるとしている。投資額は明らかにしていないが、4000億円前後とみられる。
デンマークや北海の風力発電を使って、二酸化炭素(CO2)排出が少ない電池を生産する。リチウムなどのレアメタルを再利用するためのリサイクル工場も敷地内に設ける。
ノースボルトは米テスラの元幹部が16年に設立し、独フォルクスワーゲンが20%を出資するほか独BMWや独シーメンスなども出資している。21年末にスウェーデン北部シェレフテオに最初の電池工場を稼働させ、スウェーデン南部イエーテボリにはボルボ・カー(スウェーデン)と共同出資で2つ目の工場を開くことを決めている。EVの普及で欧州の電池の需要は供給を上回るとみられており、矢継ぎ早に工場を新設し、需要を取り込む狙いだ。

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